信州ブックレットシリーズ6電子書籍版
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の大命題ですね。やってやれないことはないと私も思いますけれど、自然エネルギー利用と原子力のどっちが簡単かと言われると、まあ、どっちが簡単かよく分からない、という話になるかと思います。 以上のことを考えると、今世紀末に、ストック型の経済だったものがフロー型の経済に、世界全体が変わるということになります。 化石燃料を消費するストック型の経済は、実を言うともっと早く変わる可能性もあります。そしてそうなった時に、世の中が不安定になる可能性が極めて高いと思われます。要するに湾岸諸国は、今、経済的には資源だけで生きているわけです。その湾岸諸国が、化石燃料、つまり売るものがなくなってしまうのです。従って、世界は、やはりイスラムがキーなのですね。化石燃料消費を、どう減らすかが問題だ。CO2の許容排出量はいずれゼロになる。 さて、今、一番問題なのは、先ほど申しましたように、数億年かかって地球がため込んだ化石燃料というものを簡単に掘り出して燃やせちゃうものですから、CO2が出てしまうことです。CO2は、温室効果ガスですから、地球を温室にしてしまうというわけで、一部分が吸収されて地球方向に戻るから、従って、暖かくなる、こういう非常に簡単な理屈です。 先ほど申しましたように化石燃料は1750年ぐらいから使い始めているのですけれど、グラフにプロットするとほとんど見えないですよね。グラフで目に見えるようになりますのは1850年ぐらいからで、そこから急激に消費が増えているわけです(スライド10)。 消費の状況を分析してみますと、先進国は、もうだいたいサーキュレートしています。しかしに途上国ではどんどん増えています。特に16

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