信州ブックレットシリーズ5電子書籍版
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①が多く,損失の選択問題は,②のほうが多いというのが,一般的な傾向です。 このような傾向をうまく説明するための理屈として考え出されたのが,図表12に曲線として示されている,価値関数です。グラフの横軸は金額で,縦軸は効用(満足度)を示しています。 確実に1万円をもらえるときの効用の大きさは,①です。一方で確率2分の1で2万円がもらえて,確率2分の1で何ももらえない場合には,期待値を計算します。期待値というのは,確率と,得られる大きさの積の合計値です。ここでは効用に注目しているの 出所)Kahneman & Tversky(1979)pp.277-280を参考に筆者作成。【収入額】【損失額】【不効用】【効用】リスク回避的1万円2万円①②②①1万円2万円参照点・心理的な原点・移動可能・効用の評価は,参照点からの距離で決まるリスク志向的図表12 価値関数:利得領域と損失領域の非対称性出所)Kahneman & Tversky(1979)pp.277-280を参考に筆者作成。42

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