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2022.08.23

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「信州大学 地域防災減災センター 報告書」発刊のお知らせ

「信州大学 地域防災減災センター 報告書」発刊のお知らせ

この度、地域防災減災センターでは報告書を発刊いたしました。以下リンク先からご参照いただければ幸いです。

(WEb閲覧先)→"https://www.shinshu-u.ac.jp/guidance/publication/summary/2022/bousai_report/#page=1"

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注意事項
<画像の転載、複製、改変等はいかなる場合も禁止とさせていただきます〉

(巻頭言)
雄大な山々、美しい渓谷と清流、そして変化に富んだ四季の貌。私たちの住むここ信州(長野県)は素晴らしい自然に恵まれています。
しかし、この見事な景観は自然災害の脅威と表裏一体の関係があります。そびえ立つ山地は活発な造山運動のたまもので、この大地の動きは今も続いています。豊富な温泉は、信州が有数の火山地帯なればこその自然の恵みです。そこには危険度の高い糸魚川静岡構造線断層帯も存在します。また、美しい渓谷は、高い山々から流れ出す豊富な水量によって形作られますが、そこを豪雨や雪解け水が一気に流れ下れば土石流となり、急流は狭い平野部で合流して水害も引き起こします。
こうして信州の地は、毎年のように数多くの自然災害に見舞われてきました。そんな時、人の命を守るために不眠不休で取り組み、安全な暮らしを支えてくれる自治体、国や防災組織の方々の活躍には、私たちはいつも感謝の気持ちを忘れることはできません。そして、ここでもう一つ、災害に強い地域を作るために、長い目で見て必要になるのは、「研究」と「教育」だということも付け加えさせていただければと思います。

過去の経験が通用しない災害が多発する現代において、自然の仕組みを明らかにし、災害を適切に予測し制御するための研究は欠かすことができません。それだけでなく、防災減災への取組は、人の社会のあらゆる側面に関わります。災害に強い国土、建築物やシステム、社会、組織、医療、そして人間のありかたも探求していかなければなりません。これと並行して、その研究を発展させ、実際の防災に活用できる人材を育てる「教育」も欠かすことができません。この研究と教育こそ、地域に根ざした「大学」の役割だと思います。

信州大学は、県内5キャンパスに理系から文系まで8学部をおいた広域型の総合大学です。そこでは、さまざまな分野のスペシャリストが先進的な研究活動を進め、優れた成果を生み出し続けてきました。こうした大学の知的資源を積極的に発信し、地域の防災減災に活用していただこうという方針のもと、専門家ネットワークの結節点となる組織として、2014年に地域防災減災センターが設立されました 災害大国日本では、すでに多くの大学に防災系のセンターが設置されていますが、信州大学は、「地域」防災減災という点を特色としています。すなわち、大学での研究の成果をもとに地域に貢献し、広く地域連携活動を進めることが本センターの主任務です。

防災減災力を向上していくためには、さまざまな取り組みを組み合わせながら継続的に働きかけて行くことが大切だと考えます。そうした視点から、これまで出前講座や公開シンポジウムなどの防災イベントの開催をはじめとして、自治体や機関、学校、企業組織とも連携しながら、さまざまな取組を行ってまいりました。本報告書は、まず2014年から2021年までの本センターの活動をまとめて特集させていただきました。加えて現在進行中の研究や実践についても、ここで報告させていただきます。こうした信州大学の多様な試みをもって、広く防災減災の実現のための参考資料としていただくことを願っております。 また、この報告書をきっかけに、ぜひ多くの方に大学に蓄積されている資源を活用いただきたいと考えます。そして、地域の皆様の活動に支えられて信州大学は、新たな研究教育を進めていくことが出来るものと考えております。

信州大学地域防災減災センター長 菊池 聡


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