中村宗一郎学長

手嶋勝弥アクア・リジェネレーション機構長・卓越教授

信州大学は2026年4月1日、トヨタ自動車株式会社と共同で、「完全自動自律実験室を活用したAI/データ駆動型材料探索手法の新提案」に関する研究を開始しました。本研究は、AIによるデータ解析と予測、そしてロボットによる自動実験を組み合わせることで、新しい材料をより速く見つけ出し、社会で活用していくことを目指すものです。

4_Robot.jpg今回の研究の大きな特徴は、実験とデータ解析が一体となって進む点にあります。ロボットが実験を行い、その結果をAIがすぐに分析します。そして、その分析結果をもとに次の実験の条件を決めるという流れを繰り返すことで、研究が自動的に効率化されていきます。この仕組みによって、従来よりも短い時間で、多くの可能性を試しながら材料を探すことが可能になります。


研究は、松本キャンパス内のアクア・リジェネレーション共創研究センター(ARCH)で行われます。ここでは、信州大学が強みとする「フラックス法」という結晶を育てる技術と、自動で実験を行うロボットシステムを組み合わせた環境が整備されています。さらに、トヨタ自動車が進めているMaterials Informatics(MI)という、データを活用して材料開発を行う手法も取り入れ、実験とデータの両面から研究を進めていきます。

また、この研究で得られるデータは、トヨタ自動車が開発を進めている「WAVEMAP」というデータ共有の仕組みを通じて、大学や企業でも活用されることが想定されています。これにより、研究成果が広く共有され、新しい材料の開発や実用化がさらに進むことが期待されます。5_Explanation.jpg

この取り組みは、J-PEAKS事業をきっかけに信州大学が進めているアクア・リジェネレーション(ARG)分野の研究の一環でもあります。水をきれいにする技術や、環境にやさしいエネルギーであるグリーン水素など、持続可能な社会の実現に向けた研究に応用されていきます。
今回の共同研究は、これまでの連携をさらに発展させるものであり、研究成果の社会実装だけでなく、地域産業の活性化や次世代の人材育成にもつながることが期待されています。信州大学は今後も、企業との連携を通じて新しい価値を生み出し、社会課題の解決に取り組んでいきます。


関連ページ:https://www.shinshu-u.ac.jp/research/j-peaks/