○信州大学研究成果有体物取扱規程
(平成17年3月31日信州大学規程第135号)
改正
平成22年3月26日平成21年度規程第85号
平成27年3月30日平成26年度規程第7号
令和元年9月30日令和元年度規程第110号
(目的)
第1条
この規程は,信州大学(以下「本学」という。)における研究の成果有体物の適正な取扱い及び管理に関し必要な事項を定め,もって成果有体物の円滑な技術移転等を図ることを目的とする。
(定義)
第2条
この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1)
成果有体物 次に掲げるものであって,学術的価値又は財産的価値のある有体物をいう。
ただし,論文,講演その他の著作物に関するものを除く。
イ
研究・教育の結果として,若しくは研究・教育を行う過程において得られ,創作され,又は抽出された材料及び試料(試薬,新材料,土壌,岩石,植物新品種,実験動物,細胞株,微生物株,ウイルス株,核酸,タンパク質等の生体成分及び当該物の誘導体等並びにそれらを含む固形物,溶液,体液等をいう。),試作品,モデル品等並びに関連する情報を記録した文書その他の媒体等
ロ
臨床等において得られた試料(細胞株,微生物株,ウイルス株,核酸,タンパク質等の生体成分及び当該物の誘導体等並びにそれらを含む固形物,溶液,体液等をいう。)及び関連する情報を記録した文書その他の媒体等
ハ
データベース,コンピュータプログラム,音声,画像,図面等の各種研究成果情報を記録した電子記録媒体
ニ
データベース,コンピュータプログラム,画像,図面等の各種研究成果情報を記載した紙記録媒体
(2)
職員等 職員,研究員,共同研究者等の本学において研究・教育等の業務に従事するすべての者(本学以外の機関(以下「外部機関」という。)に所属する者を含む。)をいう。
(3)
学生等 学部学生,大学院学生,研究生,研修生,科目等履修生等の本学において職員等に教育又は研究指導を受けるすべての者をいう。
(4)
職務上 成果有体物を得られるに至った職員等の行為がその性質上本学の研究・教育等の範囲に属し,かつ,当該職員等の本学における現在又は過去の職務に属するものをいう。
(5)
所属部局等の長 職員等及び学生等が所属し,又は所属した部局等の長をいう。
(成果有体物の取扱いの統括)
第3条
学術研究・産学官連携推進機構長(以下「機構長」という。)は,本学の成果有体物の取扱いを統括するとともに,成果有体物が広く社会で活用され,新たな事業又は産業の創出に資すると認められる場合には,積極的に公表,開示,提供及び貸与(以下「提供等」という。)に努めるものとする。
2
所属部局等の長は,当該部局での成果有体物の取扱いを整理する。
(成果有体物の帰属)
第4条
職員等によって本学において職務上得られた成果有体物は,特段の定めがない限り,本学に帰属する。
2
学生等によって本学において得られた成果有体物は,特段の定めがない限り,本学に帰属する。
ただし,職員等の指導又は本学の教育研究のプログラムから独立し,学生等の自らの発想により得られた成果有体物は,この限りでない。
3
職員等及び学生等が外部機関において得られた成果有体物は,当該外部機関において特段の定めがない限り,当該外部機関に帰属する。
ただし,成果有体物について第6条第2項に定める権利等の確保に係る要求が認められた場合は,この限りでない。
(成果有体物の報告等)
第5条
職員等は,本学において職務上得られた成果有体物及び前条第3項ただし書に定める成果有体物について,次の各号に掲げる場合には,当該成果有体物の管理体制を含めて,所属部局等の長に報告しなければならない。
(1)
成果有体物を職員等及び学生等以外に提供等をする場合
(2)
成果有体物の情報を公表する場合
(3)
成果有体物について学術研究上の有効利用が想定される場合
(4)
成果有体物を収集,保存,配布する等の目的で設立された外部機関に登録・寄託する場合
(5)
所属部局等の長及び機構長より報告を求められた場合
(6)
成果有体物が毒性若しくは病原性を有するもの,遺伝子の改変により天然には存在しないもの,又は悪用により社会秩序を乱すもの等適切な使用・管理条件下以外では生体・社会等に有害であるものの場合
2
所属部局等の長は,前項により報告を受けた成果有体物のうち,財産的価値があるもの,機構長より報告を求められたもの及び適切な使用・管理条件下以外では生体・社会等に有害であるものについては,機構長へ当該成果有体物の取得又は処分について報告しなければならない。
(外部機関における成果有体物の取扱い)
第6条
職員等及び学生等は,外部機関において成果有体物を取得し,又は知り得た場合には,当該外部機関の定めるところにより,その成果有体物の取扱いに関し適切に対応しなければならない。
2
職員等及び学生等は,外部機関において自らが主体となって行った研究等により得られた成果有体物については,当該外部機関の定めるところにより許容される範囲内で,その権利等の確保のために適切な要求をしなければならない。
(成果有体物の管理)
第7条
職員等及び学生等は成果有体物を容易に他人に知られ,又は持ち出されないように,法令及び本学の定めに抵触並びに国及び本学の定める倫理指針に違反することなく適切かつ厳重に管理しなければならない。
2
各講座(講座を置かない組織にあっては,学科等。以下同じ。)の責任者は,当該講座の成果有体物の管理及びその保存に関して責任を負うものとする。
(成果有体物の公表)
第8条
職員等及び学生等は,成果有体物に関して,公表しようとする場合には,関係者の同意を得た上で,所属部局等の長の承認を得なければならない。
2
所属部局等の長は,前項により承認したもののうち,財産的価値が高いもの,機構長より報告を求められたもの及び適切な使用・管理条件下以外では生体・社会等に有害であるものについては,機構長へ報告をしなければならない。
(成果有体物に関する秘密の保持等)
第9条
職員等及び学生等は,本学の成果有体物に関して,既に公表されたもの,公表することが認められたもの又は契約等において開示することが認められたものを除き,その情報を漏えいし,又は所属部局等の長の承認を得ずに,公表若しくは開示してはならない。
外部機関の成果有体物に関しても同様とする。
2
所属部局等の長及び機構長は,特定の職員等又は学生等により本学の成果有体物が察知され,又は公表等をされることがこの規程又は法令等に抵触するおそれがあると判断した場合には,当該職員等又は学生等に対して当該成果有体物の取扱い等について制限を加えなければならない。
3
所属部局等の長及び機構長は,必要に応じて,職員等及び学生等から成果有体物の秘密保持等に関する誓約書の提出を求めることができる。
(成果有体物に関する秘密保持等の義務期間)
第10条
職員等は,異動又は離職後も在職中に本学において職務上得られた成果有体物を,所属部局等の長の承認を得ずに,持ち出してはならない。
2
職員等は,異動又は離職後も在職中に本学において知り得た成果有体物に関して,既に公表されたもの,公表することが認められたもの又は契約等において開示することが認められたものを除き,所属部局等の長の承認を得ずに,公表又は開示してはならない。
3
学生等は,その身分を失った後も在学中に本学において得られた成果有体物を,所属部局等の長の承認を得ずに,持ち出してはならない。
4
学生等は,その身分を失った後も在学中に本学において知り得た成果有体物に関して,既に公表されたもの,公表することが認められたもの又は契約等において開示することが認められたものを除き,所属部局等の長の承認を得ずに,公表又は開示してはならない。
(成果有体物の提供等)
第11条
職員等及び学生等は,次条に定める場合を除き,研究,教育,社会貢献等を目的として,本学の成果有体物を他に提供等をすることができる。
この場合において,職員等及び学生等は,次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1)
提供等の前に所属部局等の長に届け出て,承認を得ること。
(2)
あらかじめ,提供等の先から承諾を得ること。
(3)
当該成果有体物の作成に関わった者から承諾を得ること。
(4)
当該成果有体物の提供等が,法令,本学及び提供先又は貸与先の定めに抵触することなく,国,本学及び提供先又は貸与先の定める倫理指針に違反しないことを確認すること。
(5)
学生等が成果有体物の提供等をするときは,指導を受ける職員等の承認を得ること。
(6)
学術研究を目的として,提供等する場合は,無償で提供することができること。
(7)
産業利用及び収益事業を目的として,提供等する場合は,有償とすること。
2
所属部局等の長は,職員等及び学生等が成果有体物の提供等をするときは,必要に応じて,成果有体物の提供等に関する契約を提供先又は貸与先と締結し,機構長へ届け出るものとする。
(成果有体物の提供等の禁止)
第12条
職員等及び学生等は,成果有体物が次の各号のいずれかに該当する場合には,当該成果有体物の提供等をしてはならない。
ただし,第6号から第8号までに該当する場合において,提供等の目的が教育研究で,所属部局等の長の承認を得たときは,この限りでない。
(1)
所属部局等の長又は機構長が提供等を禁止したもの
(2)
法令,本学及び提供先又は貸与先の規則等に違反するもの
(3)
国,本学及び提供先又は貸与先の定める倫理指針に違反するもの
(4)
外部機関の研究者が作成したもので提供等が禁止されているもの
(5)
個人の情報が特定され得るもの
(6)
臨床由来のヒト試料
(7)
複製が事実上困難であり,提供等をすることにより研究・教育又は研究開発に支障を生じるもの
(8)
研究上の加工,改良又は工夫を加えていないもの
(外部機関からの成果有体物の受入れ)
第13条
職員等及び学生等は,学術研究の交流を目的として,外部機関から成果有体物の提供等を受け入れることができる。
この場合において,職員等及び学生等は,次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1)
成果有体物の提供等を受け入れる前に所属部局等の長に届け出ること。
(2)
成果有体物の提供等を受け入れることについて,研究に関わる者から同意を得ること。
(3)
成果有体物の提供等を受け入れることが法令,本学及び提供元又は貸与元の定めに抵触することなく,国,本学及び提供元又は貸与元の定める倫理指針に違反しないことを確認すること。
(4)
学生等が成果有体物の提供等を受け入れるときは,指導を受ける職員等の承認を得ること。
2
所属部局等の長は,職員等及び学生等が成果有体物の提供等を受け入れるときは,必要に応じて,成果有体物の提供等の受入れに関する契約を提供元又は貸与元と締結し,機構長へ届け出るものとする。
(提供補償金)
第14条
学長は,成果有体物の提供等により収入を得た場合は,当該作成者に対して提供補償金を支払うものとする。
2
当該作成者への提供補償金の支払いについては,国立大学法人信州大学知的財産補償細則(平成17年国立大学法人信州大学細則第57号)第2条第1項の規定を準用する。
この場合において,同項別表第1中「特許等実施実績補償金」とあるのは「提供補償金」と,「特許等実施実績」とあるのは「研究成果有体物の提供」と,「発明者個人」とあるのは「研究成果有体物の作成者」とそれぞれ読み替えるものとする。
(職員等に対する配慮)
第15条
所属部局等の長及び機構長は,成果有体物の公表,開示等の承認に当たっては,次の各号に掲げる事項に配慮するものとする。
(1)
公表,開示等により本学又は外部機関の知的財産に生じ得る不利益
(2)
当該成果有体物の作成に関わった職員等及び学生等の教育研究上の要請
2
所属部局等の長及び機構長は,職員等の異動に伴う成果有体物の提供等の承認に当たっては,当該職員等の異動先における研究等に支障が生じないよう配慮するものとする。
(雑則)
第16条
この規程に定めるもののほか,成果有体物の取扱いに関し必要な事項は,別に定める。
附 則
この規程は,平成17年4月1日から施行する。
附 則(平成22年3月26日平成21年度規程第85号)
この規程は,平成22年4月1日から施行する。
附 則(平成27年3月30日平成26年度規程第7号)
この規程は,平成27年4月1日から施行し,平成26年4月1日から適用する。
附 則(令和元年9月30日令和元年度規程第110号)
この規程は,令和元年9月30日から施行し,平成28年4月1日から適用する。