○国立大学法人信州大学機械安全指針
(平成16年4月1日国立大学法人信州大学指針第4号)
第1 目的
この指針は,国立大学法人信州大学における機械による危険を防止するため,機械の安全基準に関し必要な事項を定める。
第2 機械一般基準
1
機械の原動機,回転軸,歯車,プーリー,ベルト等の危険を及ぼすおそれのある部分には,覆い,囲い,スリーブ,踏切橋等を設けなければならない。
2
回転軸,歯車,プーリー,フライホイール等に附属する止め具については,埋頭型のものを使用し,又は覆いを設けなければならない。
3
ベルトの継目には,突出した止め具を使用してはならない。
4
機械ごとにスイッチ,クラッチ,ベルトシフター等の動力しゃ断装置を設けなければならない。
5
前項の動力しゃ断装置については,容易に操作できるもので,かつ,接触,振動等のために不意に機械が起動するおそれのないものとしなければならない。
6
加工物等が切断し,又は欠損して飛来することにより危険を及ぼすおそれのあるときは,当該加工物を飛散させる機械等に覆い又は囲いを設けなければならない。
ただし,覆い又は囲いを設けることが作業の性質上困難な場合において,当該機械を使用する職員が,保護具を使用するときは,この限りでない。
7
切削屑が飛来すること等により危険を及ぼすおそれのあるときは,当該切削屑を生ずる機械に覆い又は囲いを設けなければならない。
ただし,覆い又は囲いを設けることが作業の性質上困難な場合で,保護具を使用するときは,この限りでない。
8
機械(刃部を除く。)の掃除,給油,検査又は修理の作業を行う場合において,危険を及ぼすおそれのあるときは,機械の運転を停止しなければならない。
ただし,機械の運転中に作業を行わなければならない場合において,危険な箇所に覆いを設ける等の措置を講じたときは,この限りでない。
9
機械の刃部の掃除,検査,修理,取替え又は調整の作業を行うときは,機械の運転を停止しなければならない。
ただし,機械の構造上危険を及ぼすおそれのないときは,この限りでない。
10
前2項の作業のため,機械の運転を停止したときは,当該機械の起動装置に錠をかけ,当該機械の起動装置に表示板を取り付ける等その作業に従事する者以外の者が当該機械を運転することを防止するための措置を講じなければならない。
11
機械を操作中に頭髪又は被服が巻き込まれるおそれのあるときは,その作業に適した作業帽又は作業服を着用しなければならない。
12
ボール盤,面取り盤等の回転する刃物に作業中手が巻き込まれるおそれのあるときは,手袋を使用してはならない。
第3 工作機械
1
工作機械を使用する前に,工作機械,使用工具,刃具,治工具,材料等の点検を行い,正常であることを確認してから使用しなければならない。
2
工作機械を取り扱うときは,機械の回転部等に上着やズボンの裾及び髪の毛が巻き込まれないようにしておかなければならない。
3
研削盤又はプレーナーのテーブル,シェーバーのラム等のストローク端が危険を及ぼすおそれのあるときは,覆い,囲い又は柵を設けなければならない。
4
工作機械から突出して回転している加工物が危険を及ぼすおそれのあるときは,覆い,囲い等を設けなければならない。
5
帯のこ盤(木材加工用帯のこ盤を除く。)の歯の切断に必要な部分以外の部分及びのこ車には,覆い又は囲いを設けなければならない。
6
丸のこ盤(木材加工用丸のこ盤を除く。)には,歯の接触予防装置を設けなければならない。
7
ボール盤の作業に当たっては,次の各号に掲げるところによらなければならない。
(1)
ドリルはチャックに偏心しないように,かつ,ゆるみがないように取り付けること。
(2)
加工物が穴あけ中に振り回されないように,振れ止めを取り付けること。
(3)
ボール盤作業では,手袋を使用しないこと。
(4)
切削屑がドリルに巻きついたときは,回転を止めてから取り除くこと。
8
グラインダー及び高速カッター等の研削といしの作業に当たっては,次の各号に掲げるところによらなければならない。
(1)
直径が50ミリメートル以上の研削といしについては,回転中の研削といしの破壊等による飛散の危険があるときは,覆いを設けること。
(2)
研削といしについては,その日の作業を開始する前には1分間以上,研削といしを取り替えたときには3分間以上試運転を行うこと。
(3)
研削といしについては,その最高使用周速度を超えて使用しないこと。
(4)
側面を使用することを目的とする研削といし以外の研削といしの側面を使用しないこと。
(5)
研削といしの取替え又は取替え時の試運転の業務は,研削といし取替等業務の特別教育修了者が行うこと。
9
数値制御工作機械の作業にあっては,次の各号に掲げるところによらなければならない。
(1)
数値制御工作機械の往復台,横送り台等が逸走するおそれがある場合には,送り停止リミットスイッチ等を設けること。
(2)
数値制御工作機械に取り付けられている覆い,囲いの開閉は,その工作機械の運転とインターロックされていること。
10
バフ盤(布バフ,コルクバフ等を使用するバフ盤を除く。)のバフの研摩に必要な部分以外の部分には,覆いを設けなければならない。
第4 木材加工用機械
1
木材加工用丸のこ盤(横切用丸のこ盤その他反ぱつにより危険を及ぼすおそれのないものを除く。)には,割刃その他の反ぱつ予防装置を設けなければならない。
2
木材加工用丸のこ盤(製材用丸のこ盤及び自動送り装置を有する丸のこ盤を除く。)には,歯の接触予防装置を設けなければならない。
3
木材加工用帯のこ盤の歯の切断に必要な部分以外の部分及びのこ車には,覆い又は囲いを設けなければならない。
4
木材加工用帯のこ盤のスパイクつき送りローラー又はのこ歯形送りローラーには,送り側を除いて,接触予防装置又は覆いを設けなければならない。
ただし,スパイクつき送りローラー又はのこ歯形送りローラーを停止することができる急停止装置が設けられているものについては,この限りでない。
5
手押しかんな盤には,刃の接触予防装置を設けなければならない。
6
面取り盤(自動送り装置を有するものを除く。)には,刃の接触予防装置を設けなければならない。
ただし,接触予防装置を設けることが作業の性質上困難な場合において,治具又は工具を使用するときは,この限りでない。
7
木材加工用機械(丸のこ盤,帯のこ盤,かんな盤,面取り盤及びルーターに限るものとし,携帯用のものを除く。)を5台以上有する作業場には,木材加工用機械作業主任者技能講習を修了した者のうちから,木材加工用機械作業主任者を選任しなければならない。
8
前号に該当しない木材加工用機械を有する作業場には,当該業務の作業指揮者を置くものとする。
9
木材加工用機械作業主任者又は作業指揮者は,次の各号に掲げる事項を行わなければならない。
(1)
木材加工用機械を取り扱う作業を直接指揮すること。
(2)
木材加工用機械及びその安全装置を点検すること。
(3)
木材加工用機械及びその安全装置に異常を認めたときは,直ちに必要な措置をとること。
(4)
作業中,治具,工具等の使用状況を監視すること。
第5 遠心機械
1
遠心機械には,ふたを設けなければならない。
2
遠心機械(内容物の取出しが自動的に行われる構造のものを除く。)から内容物を取り出すときは,当該機械の運転を停止しなければならない。
3
遠心機械については,その最高使用回転数を超えて使用してはならない。
4
動力により駆動される遠心機械については,1年以内ごとに1回,定期に,次の各号に掲げる事項について自主検査を行わなければならない。
(1)
回転体の異常の有無
(2)
主軸の軸受部の異常の有無
(3)
ブレーキの異常の有無
(4)
外わくの異常の有無
(5)
前各号に掲げる部分のボルトのゆるみの有無
5
前項の自主検査を行ったときは,次の事項を記録し,これを3年間保存しなければならない。
(1)
検査年月日
(2)
検査方法
(3)
検査箇所
(4)
検査の結果
(5)
検査を実施した者の氏名
(6)
検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは,その内容
第6 産業用ロボット
1
産業用ロボットの可動範囲内において当該産業用ロボットについて教示等の作業を行うときは,当該産業用ロボットの不意の作動による危険又は当該産業用ロボットの誤操作による危険を防止するため,次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
ただし,第1号及び第2号の措置については,産業用ロボットの駆動源を遮断して作業を行うときは,この限りでない。
(1)
次の事項について規程を定め,これにより作業を行うこと。
イ
産業用ロボットの操作の方法及び手順
ロ
作業中のマニプレータの速度
ハ
複数の職員で作業を行う場合における合図の方法
ニ
異常時における措置
ホ
異常時に産業用ロボットの運転を停止した後,これを再起動させるときの措置
ヘ
その他産業用ロボットの不意の作動による危険又は産業用ロボットの誤操作による危険を防止するために必要な措置
(2)
作業に従事している職員又は当該職員を監視する者が異常時に直ちに産業用ロボットの運転を停止することができるようにするための措置を講ずること。
(3)
作業を行っている間産業用ロボットの起動スイッチ等に作業中である旨を表示する等作業に従事している職員以外の者が起動スイッチ等を操作することを防止するための措置を講ずること。
2
産業用ロボットを運転する場合において,当該産業用ロボットに接触するおそれのあるときは,さく又は囲いを設ける等当該危険を防止するために必要な措置を講じなければならない。
3
産業用ロボットの可動範囲内において当該産業用ロボットの検査,修理,調整,掃除若しくは給油又はこれらの結果の確認の作業を行うときは,当該産業用ロボットの運転を停止するとともに,当該作業を行っている間当該産業用ロボットの起動スイッチに錠をかけ,当該産業用ロボットの起動スイッチに作業中である旨を表示する等当該作業に従事している職員以外の者が当該起動スイッチを操作することを防止するための措置を講じなければならない。
4
産業用ロボットの可動範囲内において当該産業用ロボットについて教示等の作業を行うときは,その作業を開始する前に,次の各号に掲げる事項について点検し,異常を認めたときは,直ちに補修その他必要な措置を講じなければならない。
(1)
外部電線の被覆又は外装の損傷の有無
(2)
マニプレータの作動の異常の有無
(3)
制動装置及び非常停止装置の機能
5
産業用ロボットの可動範囲内において行う産業用ロボットの教示等の業務及びそれに付随して,産業用ロボットの可動範囲外で行う機器の操作の業務は,産業用ロボットの教示等業務特別教育修了者が行わなければならない。
6
産業用ロボットの可動範囲内において行う産業用ロボットの検査,修理,調整の業務及びそれに付随して産業用ロボットの可動範囲外で行う機器の操作の業務は,産業用ロボットの検査等業務特別教育修了者が行わなければならない。
第7 工業用加熱炉
熱処理,鍛造,焼付け等を行うための工業用の加熱炉(以下「炉」という。)の燃焼設備に使用する気体燃料又は液体燃料による爆発災害を防止するため,炉の燃焼設備のうち,燃料配管,バーナ,安全装置等については,次の各号に掲げるところによらなければならない。
(1)
燃料配管及び空気配管並びにこれらの附属品(以下「燃料配管等」という。)は,燃料若しくは空気の最大供給圧力により破損し,又は燃料若しくは空気が漏えいすることのない構造のものとすること。
(2)
燃料配管には,燃料が漏えいした場合にその流出量を最小限にとどめることができるよう,所定の位置に燃料止め弁を設けること。
(3)
空気が逆流するおそれのある構造の燃料配管には,空気の逆流防止弁を設けること。
(4)
液体燃料を使用する燃焼設備にあっては,燃料配管又はその附属品を接地すること。
(5)
燃料配管及びその附属品は,これらの表面温度が使用する燃料の発火点を超えるおそれのない箇所に設置すること。
(6)
主バーナ及びパイロットバーナ(以下「バーナ」という。)には,それぞれのバーナに適合する使用条件(燃料の比重,発熱量,理論空気量,燃焼速度,供給圧等をいう。)を表示した銘板を取り付けること。
(7)
バーナは,炎が正しく安定するよう空燃比を調整することができ,かつ,長時間使用しても空燃比に変化を生じない構造のものとすること。
(8)
パイロットバーナは,主バーナを点火したときにその主バーナの燃焼用空気流等で炎が吹き消されない構造のものとすること。
(9)
パイロットバーナは,その燃焼状態が容易に目視確認できるような位置に取り付けること。
(10)
パイロットバーナは,その使用条件の範囲内のすべての場合において,確実に主バーナへの火移りが行われる位置に取り付けること。
(11)
760度以下の温度で使用する炉又はひんぱんに点火及び消火を行う炉にあっては,主バーナの炎が消えても直ちに着火することができるよう,炎の安定したパイロットバーナを設け,かつ,これを常時燃焼させておくこと。
(12)
燃焼設備には,表示された使用条件に適合しない燃料は使用しないこと。
(13)
気体燃料を使用する炉のうち,760度以下の温度で使用する炉,ひんぱんに点火及び消火を行う炉又は密閉して使用する炉に用いられる燃料配管には,燃焼用空気の供給が断たれる等の危険な状態が発生した場合に直ちに燃料の供給をしゃ断することができる燃料安全しゃ断弁を設けること。
(14)
燃焼設備をはじめて使用しようとするとき又は1月を超える期間引き続き使用しない燃焼設備を再び使用しようとするときは,当該燃焼設備の燃料配管等について最大供給圧力による耐圧試験を行い,破損又は漏えいのないことを確認すること。
(15)
バーナに点火する場合には,あらかじめ,次に定めるところにより必ずプレパージを行うこと。
イ
炉の内容積(煙道の容積を含む。)の4倍以上の空気で行うこと。
ロ
空気の流量は,最大燃焼時の空気の流量の50パーセント以上とすることが望ましいこと。
(16)
主バーナへの点火は,燃料止め弁を開いて5秒以内に行うこととし,着火しなかった場合には,直ちに燃料止め弁を閉じ,再びプレパージを行うこと。
(17)
異常な事態によりバーナの火が消えた場合には,直ちに燃料止め弁を閉止すること。
(18)
炉の作業を一時停止し,又は終了する場合には,必ずバーナの所定の燃料止め弁を閉じ,その閉止状態を確認すること。
附 則
この指針は,平成16年4月1日から実施する。