○国立大学法人信州大学職場環境指針
(平成16年4月1日国立大学法人信州大学指針第16号) |
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第1 目的
この指針は,国立大学法人信州大学における職員の有する能力の有効な発揮及び職場の活性化に資するため,快適な職場環境の形成のための措置に関し必要な事項を定める。
第2 職場環境の管理
職場環境が空気の汚れ,暑さ,寒さや不十分な照度等により不適切な状態にある場合には,職員の疲労やストレスを高めることから,浮遊粉じん,臭気等の職員が不快に感じる因子を適切に管理するとともに,次の各号に掲げる事項について快適な状態に維持管理しなければならない。
(1) 屋内では,浮遊粉じんや臭気等について不快と感ずることのないよう維持管理するために必要な措置を講ずることとし,必要に応じ,喫煙場所を指定する等の喫煙対策を構ずること。
(2) 屋内においては,作業の態様,季節等に応じて温度,湿度等の温熱条件を適切な状態に保つこと。
(3) 作業に適した照度を確保するとともに,視野内に過度な輝度対比や不快なグレアが生じないように必要な措置を講ずること。
(4) 屋内については,外部からの騒音を有効に遮へいする措置を講ずるとともに,OA機器等について低騒音機器を採用する等により,低騒音化を図ること及び騒音源となる機械設備について遮音材で覆うこと等により騒音の抑制を図ること。
(5) 作業に必要な作業空間や通路等の適切な確保を図ること。
第3 作業方法の改善
不自然な姿勢での作業や大きな筋力を必要とする作業等については,職員の心身の負担が大きいことから,このような作業については,心身の負担が軽減されるよう次の各号に掲げる作業方法の改善を図らなければならない。
(1) 腰部,頚部等身体の一部又は全身に常態的に大きな負担のかかる不自然な姿勢での作業については,機械設備の改善等により,作業方法の改善を図ること。
(2) 荷物の持ち運び等を常態的に行う作業や機械設備の取扱い,操作等の作業で相当の筋力を要するものについては,助力装置の導入等により,負担の軽減を図ること。
(3) 高温,多湿や騒音等の場所における作業については,防熱や遮音壁の設置,操作の遠隔化等により,負担の軽減を図ること。
(4) 高い緊張状態の持続が要求される作業や一定の姿勢を長時間持続することを求められる作業等については,緊張を緩和するための機器の導入等により,負担の軽減を図ること。
(5) 日常用いる機械設備,事務機器や什器等については,識別しやすい文字により適切な表示を行うとともに,作業動作の特性に適合した操作が行える等作業をしやすい配慮がなされていること。
第4 疲労回復の施設等
心身の疲労については,できるだけ速やかにその回復を図るため,休憩室等の施設の設置,整備に努めなければならない。
第5 清潔の維持管理
洗面所,トイレ等の職場生活において必要な施設,設備については,常に清潔で使いやすい状態となるよう維持管理しなければならない。
第6 職場の喫煙対策
1 喫煙者は,受動喫煙が非喫煙者に対して健康への影響や不快感,ストレス等を与え得ることを十分に認識し,受動喫煙を防止するために協力しなければならない。
2 事業場の長は,受動喫煙による健康への影響,喫煙対策の内容,喫煙行動基準等に関する教育や相談を行い,喫煙対策に対する意識の高揚を図るとともに,定期健康診断等の機会に喫煙による健康への影響等に関して医師,保健師等による個別の相談,助言及び指導を行わなければならない。
3 妊婦及び呼吸器,循環器等に疾患を持つ者は,受動喫煙による健康への影響を一層受けやすいことから,空間分煙の徹底を行う等により,これらの者への受動喫煙を防止するため格別の配慮を行わなければならない。
4 喫煙室等には,たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する方式の喫煙対策機器を設置し,これを適切に稼動させるとともに,その点検等を行い,適切に維持管理しなければならない。やむを得ない場合で,たばこの煙を除去して屋内に排気する方式である空気清浄装置を設置するときには,これを適切に稼動させ,その点検等を行い,適切に維持するとともに,喫煙室等の換気に特段の配慮を行わなければならない。
5 事業場の長は,喫煙室等から非喫煙場所への,たばこの煙やにおいの漏れを防止するための措置を講じなければならない。
第7 腰痛防止対策
職場における腰痛を予防するために,次の各号に掲げる措置を行い,作業管理,作業環境管理,健康管理及び労働衛生教育を適切に行うことによって腰痛の発生要因の排除又は軽減に努めるとともに,健康の保持増進対策を進めなければならない。
(1) 腰部に著しい負担のかかる作業を行うときは,作業の全部若しくは一部を自動化又は機械化し,又は適切な補助機器等を使用し,負担を軽減すること。
(2) 腰部に負担のかかる中腰,ひねり,前屈,後屈ねん転等の不自然な姿勢をなるべく取らないようにすること。
(3) 立位,椅座位等において,同一姿勢を長時間取らないようにすること。
(4) 腰部に負担のかかる動作を行うに当たっては,姿勢を整え,かつ,急激な動作を避けること。
(5) 持ち上げる,引く,押す等の動作は,膝を軽く曲げ,呼吸を整え,下腹部に力を入れながら行うこと。
(6) 頸部又は腰部の不意なひねりを可能な限り避け,動作時には,視線も動作に合わせて移動させること。
(7) 腰部に著しい負担のかかる作業を行うときは,横になって安静を保てるよう十分な広さを有する休憩設備を設け,休憩設備の室内温度を,筋緊張が緩和できるよう調節すること。
(8) 腰部に著しい負担のかかる作業を行うときは,腹帯等適切な補装具を使用すること。
(9) 作業時の靴は,足に適合したものを使用し,腰部に著しい負担のかかる作業を行う場合は,ハイヒールやサンダルを使用しないこと。
(10) 作業床面はできるだけ凹凸がなく,防滑性,弾力性,耐衝撃性及び耐へこみ性に優れたものとすること。
(11) 動作に支障がないよう十分な広さを有する作業空間を確保すること。
(12) 作業を行う設備,作業台等については,作業に伴う動作,作業姿勢等を考慮して,形状,寸法,配置等に人間工学的な配慮をすること。
第8 健康診断
介護作業等腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する者に対しては,当該作業に配置する際及びその後6月以内ごとに1回,定期に,医師による腰痛の健康診断を受診するように努めなければならない。
第9 腰痛防止運動
腰痛の予防を含めた健康確保のため,次の各号に掲げる体操を実施するように努めなければならない。
(1) 始業時に準備体操を行うこと。
(2) 就業中に新たに腰部に過度の負担のかかる作業を行う場合には,当該作業開始前に下肢関節の屈伸等を中心に行うこと。
(3) 作業終了時においても,必要に応じ,緊張した筋肉をほぐし,血行をよくするための整理体操を行うこと。
第10 腰痛防止教育
介護作業等腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する職員には,その作業に配置する際及び必要に応じ,腰痛の予防のための労働衛生教育を行わなければならない。
第11 介護作業等の腰痛防止
介護作業等における腰痛防止のため,次の各号に掲げる事項に対処し,作業を行わなければならない。
(1) 介護等のために体重の重い患者等の体位の変換,移動等は,複数の者で行うこと。
(2) 一時的に繁忙な介護作業等の事態が生じた場合に,腰部負担の大きい業務が特定の者に集中しないように十分配慮すること。
(3) 浴槽,洗身台,シャワー設備等の配置は,介護する者等の無用の移動をできるだけ少なくするようなものとすること。
(4) 浴槽の縁,洗身台及びシャワーの高さ等は,介護する者等の身長に適合するものとすること。
(5) 移動式洗身台,ローラーコンベヤー付き洗身台,移動浴槽,リフト等の介助機器の導入を図ること。
第12 腰掛け作業の腰痛防止
腰掛け作業の腰痛防止のため,次の各号に掲げる事項に対処し,作業を行わなければならない。
(1) 椅子の座面の高さ,奥行きの寸法,背もたれの角度及び肘掛けの高さが使用する者の体格等に合わせて調節できる椅子を使用すること。また,体圧分布及び座面の堅さにも配慮すること。
(2) 椅子に深く腰を掛けて背もたれに十分に当て,履物の足裏全体が床に接する姿勢を基本とすること。
(3) 椅子と大腿下部との間には,手指が押し入る程度のゆとりがあり,大腿部に無理な圧力が加わらないようにすること。
(4) 膝や足先を自由に動かせる空間を取ること。
(5) 前傾姿勢を避けること。また,適宜,立ち上がって腰を伸ばす等姿勢を変えること。
第13 職場環境の改善
快適な職場環境の形成,維持及び管理を図るため,次の各号に掲げる事項を行わなければならない。
(1) 快適な職場環境を形成し,適切に維持管理するために必要な施設,設備を整備する等の措置を講ずることだけでなく,その後においても継続的かつ計画的な取組を行うこと。
(2) 快適な職場環境の形成を図るための設備等について,その機能を常々有効に発揮させるため,その性能や機能の確保等に関するマニュアルを作成する等の措置を講ずること。
(3) 職場における作業内容や職員の年齢構成の変化,快適な職場環境に係る技術の進展等にも留意して,職場環境を常時見直し,これに応じて必要な措置を講ずること。
(4) 職場環境の影響を最も受けるのは,その職場で働く職員であることから,快適な職場環境の形成のための措置の実施に関し,安全衛生委員会を活用する等により,その職場で働く職員の意見ができるだけ反映されるよう必要な措置を講ずること。
第14 個人差への配慮
職員が作業するに当たっての温度,照明等の職場の環境条件についての感じ方や作業から受ける心身の負担についての感じ方等には,職員の年齢等による差をはじめとして個人差があることから,そのような個人差を考慮して必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第15 潤いへの配慮
職場の仕事の場としての効率性や機能性を確保するとともに,職員が一定の時間を過ごして職場で働くものであることから,生活の場としての潤いを持たせ,緊張をほぐすよう配慮しなければならない。
附 則
この指針は,平成16年4月1日から実施する。
附 則(平成18年3月30日平成17年度指針第4号)
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この指針は,平成18年4月1日から実施する。