上の写真にある研究用マイクロ波発振器を使って無機物質(ここでは炭素を主体とする材料)にマイクロ波を照射すると800℃以上のコンパクトな高温雰囲気場を作り出すことができる。ここにメタンを接触させることで水素への効率的な転化をすることが可能になる。 ホウ素クラスターを利用した新規分子創製: (a) J. Am. Chem. Soc. 2026, 148 (10), 10308–10314 (b) JACS Au 2025, 5 (4),1633–1640. 細胞膜を透過する次世代型ホウ素クラスター 異分野融合で未踏の化学領域に挑む 教員紹介 未踏の分子を合成し、極限状態の反応を解明することで、これまでの有機化学の常識を覆す新発見を目指します。また、開発した細胞膜透過キャリアは、狙った時間・場所で薬を効かせる薬物送達システムや、次世代のホウ素中性子捕捉療法(BNCT)など未来の医療技術への応用が期待されます。基礎化学の探求が、社会を変革する次世代バイオ医療の実現へと直結するエキサイティングな領域です。 北沢 裕 助教 東京大学大学院 薬学系研究科修了。博士(薬科学)。チェコ科学アカデミー研究員を経て、現職。専門は有機合成化学。誰も見たことのない分子を創り細胞機能を操る」がモットー。 自ら課題を発見し、有機合成、理論計算、細胞評価を通じて論理的思考と実践的な課題解決能力を身につけます。化学、製薬、素材メーカーなどの研究開発職で、世界を舞台に最前線で活躍する科学リーダーとしての飛躍を期待しています。 教員紹介 研究の発端は何でも構いません。何かやってみたいこと、疑問に思うことがあったらまず、その解決策を「自分で考える」ことが大切です。このことが研究を推進する力になります。学生さんには研究室をトレーニングの場としてとらえていただき、ここで考える力を養うことによって将来必要とされる世の中のどんな要求にも的確に応えられるようになるでしょう。 滝沢 辰洋 助教 信州大学繊維学部機能高分子学科卒業。信州大学繊維学部教務員、助手を経て現職。興味のある分野は材料物性全般。 どのような分野であっても解決すべき課題に向かってプロセス(ものごとの進め方)やシステム(課題の具体的解決法)を積極的に提案できる人になれるはずです。 研究から広がる未来 卒業後の未来像 研究から広がる未来 卒業後の未来像 38 私たちは、未知の機能を持つ「アニオン(マイナスの電気を帯びた分子)」の精密設計を基軸に、有機合成・計算化学・細胞化学を融合した最先端の研究を展開しています。極めて安定な「ホウ素クラスター」を独自の有機合成手法で自在に修飾し、新しい反応を開拓します。さらに、合成した革新的分子を用いて、細胞膜を透過して薬を届ける次世代キャリア(DDS)の開発など、生命科学への応用にも挑戦します。「自分の手で世界初の分子を創り出したい」「有機合成の力で医療に貢献したい」と願う、研究に情熱を持つ学生を歓迎します。 マイクロ波を使った新規材料の創成と物性の解明を目指しています。「電波」と言えば地上波のラジオやテレビ、衛星放送、携帯電話、無線LANなど通信用途が主な用途として思い浮かぶと思います。しかし今や、どの家庭にも最低1台はある「電子レンジ」も同じような「電波」を使っていますが、こちらは通信用ではなくて「調理」のための道具です。調理は化学プロセスとしても位置付けることができますので、そこからさらに一歩進めて「化学および化学反応・化学プロセスのための利用法」を模索しています。 化学・材料学科 化学・材料学科 マイクロ波を利用した化学 アニオン精密設計から挑む:革新的有機合成と次世代細胞膜透過キャリアの創出
元のページ ../index.html#39