繊維学部研究紹介2025
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36配位子に保護された金属クラスターの構造の例(図はチオラート(SR)保護金(Au)クラスター Aun(SR)m).白金ドープ銀ナノクラスター(PtAg24(SR)18)と蛍光色素を含む溶液試料(左)まだは固体試料(右)に785 nmの励起光を照射した際の青色アップコンバージョン(UC)発光の様子.バクテリアセルロース(BC)とPNIPAMの複合ゲル。複合化することにより強靭な刺激応答性のゲルとなる。天然多糖類であるキトサンを用いた熱可逆応答性のゲル化。寺寺本本 彰彰 准准教教授授民間乳業会社研究員、信州大学繊維学部教務員、助手等を経て、2008年より現職。研究分野は細胞培養用基材の開発、培養細胞の機能評価など。新新堀堀 佳佳紀紀 准准教教授授1986年 茨城県生まれ。2013年 東京理科大学で博士(理学)を取得。2014-2016 年 同 学 博 士研究員、2017-2021年 立教大学 助教、2022-2024年 東京理科大学 講師、2025年から信州大学繊維学部 准教授。卒卒業業後後のの未未来来像像研研究究かからら広広ががるる未未来来ナノクラスターの組成や構造を制御することで、その光機能を自在に操ることができます。こうした特性を応用することで、高効率な発光材料やエネルギー変換材料の開発が可能になります。また、ナノテクノロジーは分野横断的な学問領域であり、化学・物理・材料・生命科学など多様な分野の研究者との連携を通じ、新たな触媒や医療デバイスの創出にもつながります。私たちの研究は、光を鍵とする機能性ナノ材料の設計を通じて、未来の技術を切り拓く第一歩となります。卒卒業業後後のの未未来来像像卒業生には、物質合成から測定・解析まで一貫して自分で研究を完結させ、研究者としての基本的なスキルをしっかり身につけて、真の研究プロとして巣立ってほしいと考えています。また、研究室独自のプレゼンスキルも身に着け、それを武器に他と差をつけて社会で一歩先を行く存在になってほしいと願っています。教教員員紹紹介介研研究究かからら広広ががるる未未来来天然高分子から高機能材料を開発することにより環境にも優しい循環型のエコマテリアルとしての応用が期待されます。また、私たちの体はタンパク質や多糖類等の生体高分子から形成されています。天然由来高分子から作り出される材料は生体親和性にも優れ、バイオ、メディカル分野での応用展開も期待されます。卒業生の大半は大学院修士課程に進学しています。修了後の進路としては、様々な業種へ進んでいますが、主として材料メーカー、化学メーカーなどへ就職し活躍しています。教教員員紹紹介介我々の社会は石油化学工業によって作り出された高分子材料などを用いて成り立っています。しかし石油資源は無尽蔵に生まれるものではなく有限であり、それを代替えすることのできる資源の活用が重要な課題になっています。植物由来のセルロース、カニ殻由来のキチンなどの天然多糖類はバイオマスと呼ばれ最も豊富に存在している高分子材料です。当研究室ではこれらの天然高分子を素材とし、刺激応答性などの機能性を付与することにより新しい材料の開発を試みています。金属を極限まで小さくすると、通常のスケールでは見られない新たな性質が現れます。ナノメートル(10−9 m)サイズの「ナナノノククララススタターー」は、原子が限られた数だけ集まった構造体で、通常の金属やナノ粒子とは異なる特性を示します。たとえば、不活性な金がクラスター化することで触媒活性を持ったり、磁性や発光性を示すようになります。さらに、構成原子がたった一つ違うだけで物性が大きく変わるという特徴もあります。私たちは、こうしたクラスターを原子一つひとつの精度で合成し、その性質と機能がどのように生まれるのかを明らかにすることで、次世代の高機能ナノ材料の創出を目指しています。化化学学・・材材料料学学科科化化学学・・材材料料学学科科天天然然素素材材をを用用いいたた高高機機能能材材料料のの開開発発ナナノノククララススタターー工工学学::極極小小世世界界かからら生生ままれれるる大大ききなな可可能能性性

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