繊維学部研究紹介2025
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356セルを直列に一体成形した厚さ約4mmのフレキシブル燃料電池触媒反応試験の様子。 大きな装置に見えるが、これでも"小型反応試験装置"。研究に必要な実験装置は自分達で作ることも多い。研究室で開発した材料を組み込んだ燃料電池は、その発電特性を評価装置でチェック。その結果を基に、さらなる改良を重ねます光合成固定化バイオマス資源のエネルギー・化学原料利用。触媒反応による効率的な物質転換技術が実用化の鍵となる。独自に開発した直径150nmの極細炭素繊維不織布「CNW」電極(上)反応に用いる固体触媒。(下)微細藻類が生産した油脂を原料に用いた触媒反応生成物。ガソリン代替燃料として利用できる。小小山山 俊俊樹樹 准准教教授授信 州 大 学 繊 維 学 部 で 助手 ・ 講 師 を 務 め た 後 、1998年より現職。生体での電子やイオンの働きをヒントに、機能高分子材料やデバイスの開発に係わる物理化学が研究分野。嶋嶋田田 五五百百里里 講講師師2013年に東京大学大学院新領域創成科学研究科を修了し、博士号(環境学)を取得。日本学術振興会特別研究員、信州大学繊維学部助教を経て、2018年より現職。専門は化学工学、反応工学。卒卒業業後後のの未未来来像像卒卒業業後後のの未未来来像像教教員員紹紹介介研研究究かからら広広ががるる未未来来小山研究室では、小型燃料電池の薄型・軽量化を可能にする材料の開発に取り組んでいます。燃料電池がウェアラブルになれば様々な利用形態が可能です。例え ば ロ ボ ッ ト や パ ワ ー ス ー ツ の 電 源 で す 。 曲 面 にフィットできるフレキシブル性を活かし、外装を兼ねた電源とすることも可能です。また、バッテリーのように充電のための時間を必要とせず、燃料を充填すればいつでもどこでも再起動できます。工事現場、山林での作業、介護用へと期待は広がります。卒業生の多くは大学院修士課程に進学しています。そして,主な就職先は、化学材料や有機電子材料、電子デバイス関連の企業です。真摯に研究に取り組む姿勢はきちんと評価され、そして将来の自分に力を与えてくれるでしょう。教教員員紹紹介介研研究究かからら広広ががるる未未来来再生可能エネルギーであるバイオマス資源を用いたエネルギーシステムの構築により、化石燃料などの枯渇性資源に頼らないクリーンで持続可能なエネルギー社会の構築を目指します。さらには、バイオマスから様々な有用物質への転換手法を構築することで、現在は石油資源から生産されている多くの化学製品の代替も可能となります。化学工学はものづくりの現場で役に立つ実学であり、活躍できる分野は化学、エネルギー、材料、プラントエンジニアリングなど多岐にわたります。当研究室では、化学工学や反応工学の知識の習得はもちろん、その知識をどのように活用するのかを研究を通じて身に着けてもらいたいと考えています。輸送用燃料・化学品原料CO2バイオマス資源触媒反応による物質転換小山研究室では、液体で供給したメタノールを気体として透過させる気化調整膜や、メタノールを透過させずに水素イオンを速やかに伝導する電解質膜などの機能性高分子膜の研究と、ナノファイバーの技術を応用したカーボンナノウェブ「CNW」の開発と応用に取り組んでいます。 CNWは直径150nmという非常に細い炭素繊維の不織布で、物質拡散性を有するナノ集電層として大変有用な働きをします。これらを組み合わせることで、薄型・軽量でフレキシブルな小型燃料電池が実現可能です。ウェアラブル電源など様々な活用法が期待できます。油脂や木材、微細藻類などの様々なバイオマスは光合成により大気中の二酸化炭素を吸収しながら成長します。そのため、バイオマス由来の燃料は燃焼しても大気中の二酸化炭素を増加させず、カーボンニュートラルなエネルギー源として期待されています。しかし、バイオマス資源のエネルギー利用実現のためには、物質やエネルギーの転換技術の高効率化が不可欠です。当研究室では、バイオマス資源を安価なプロセスを用いて高品位な燃料や化学品原料に効率的に転換することを目指し、触媒反応機構の解明や新規触媒の設計に取り組んでいます。化化学学・・材材料料学学科科化化学学・・材材料料学学科科薄薄くくてて軽軽いいウウェェアアララブブルルなな燃燃料料電電池池。。ロロボボッットトややパパワワーーススーーツツのの電電源源にに!!ババイイオオママスス資資源源のの有有効効利利用用でで持持続続可可能能社社会会のの実実現現をを目目指指すす

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