579●27足糸繊維は、先端の接着円盤 (左、くっつく部分) 、遠位糸状部(中央、硬く強い繊維)、近位糸状部 (右、コシの強い繊維) からできています農林水産残渣からの高付加価値材料づくりミドリイガイ(Pernaviridis)が水中でつくる不思議な足糸繊維温温度度水の持つ機能を最大限発揮するために温度、圧力を操作した新たな化学反応場を探求していますイイカカ中中骨骨由由来来βキキチチンンウウォォーータターージジェェッットトにによよるる湿湿式式解解繊繊βキキチチンンナナノノフファァイイババーー((オオブブジジェェ))未利用水産残渣のナノファイバー化大大川川 浩浩作作 教教授授信州大学繊維学部機能高分子学科卒業後、同大学大学院工学系研究科博士前期課程入学、修了後、東京大学大学院理学系研究科博士課程に進学、1998年博士(理学)取得.1996年信州大学繊維学部助手に着任、2014年より現職。1969年生。長長田田 光光正正 教教授授東北大学で博士号を取得後産総研の研究員、ミシガン大学 在外研究員、一関高専の准教授、信州大学繊維学部准教授を経て、2024年から現職。専門は、化学工学、超臨界流体工学、バイオマス変換工学卒卒業業後後のの未未来来像像卒卒業業後後のの未未来来像像教教員員紹紹介介研研究究かからら広広ががるる未未来来足糸繊維はタンパク質でできています。タンパク質はアミノ酸が連結した鎖のような分子です。水中で足糸繊維をつくるために最適なアミノ酸の並び順があるはずで、生物進化の途中では、より強い繊維をつくるために、とてつもなく永い時間を経て、アミノ酸配列が次第に改良されながら、今に至っていると考えられます。水中で優れた繊維をつくるために生物が獲得してきた「知恵」は、最新の分析化学を駆使して明らかにされようとしています。「生物がつくった繊維材料」から、研究者が学べることは大変に多いのです。そして、未来の繊維材料工学につながります。研究室の卒業生たちは、現在、紡績、繊維製造、不織布製造、食品原料製造、スポーツ用品、プラスチック加工、天然多糖の加工製造販売、化成品製造などのメーカーの開発・研究部門の技術者として活躍しています。教教員員紹紹介介研研究究かからら広広ががるる未未来来化学というと色々な薬品を使うイメージがあるかもしれませんが、それを環境に優しい“水”に置き換えることが私たちの目的です。水は、1気圧では、100℃で沸騰しますが、圧力をかけると100℃以上でも液体状態を保ちます。温度、圧力を操作することで水の物性(pHなど)もコントロールできます。つまり、酸・アルカリを使わなくてもpHが変えられます。この“水”を使って、薬品をできるだけ使わずに、様々な化学製品を作る方法を実現します。大学で学んだことを活かして、化学・食品・医薬品メーカーなどで、世界を舞台に技術者・研究者として活躍することを期待しています。技術的な視点だけではなく、社会的・文化的な背景も考えられる力をもつことも重要です。超臨界流体0.1MPa(大気圧)0℃100℃374℃℃臨界点1125200400温度 [oC]600超臨界水と高温高圧水とは超臨界水固固体体液液体体気気体体水の物性の温度依存性pHpOH圧圧力力24MPa常温常圧では水の中性はpH=7ですが、温度とともに中性のpHは水だけでも変化します高高温温高高圧圧水水処処理理農農林林水水産産残残渣渣・・ババイイオオママスス高高付付加加価価値値なな機機能能性性材材料料リリググニニンン(木木材材))フフェェノノーールル化化合合物物タタンンパパクク質質((魚魚鱗鱗))ココララーーゲゲンンペペププチチドドβググルルカカンン((キキノノココ))βググルルカカンンオオリリゴゴ糖糖キキチチンン((カカニニ、、キキノノココ))キキチチンンオオリリゴゴ糖糖22.1 MPa圧力大川研究室では、水中に生活する生物がつくる繊維の生物科学・生化学研究を進めています。研究対象は主に軟体動物門と節足動物門の生物です。海に棲む二枚貝は、「足糸」 と呼ばれる繊維をつくります。足糸繊維は、ジュール・ベルヌ作の冒険小説「海底2万里」にも登場し、カイコも羊も綿花もない海中で手に入る足糸繊維をつかい、潜水艦ノーチラス号の乗組員は衣類をつくったと描かれています。18-19世紀南欧州の貴族達は、足糸繊維の希少な衣類や工芸品を所有し、互いの品を自慢しあったそうです。長田研究室では、『超臨界水(高温高圧水)』や『ウォータージェット(マッハ2以上に加速された水)』というちょっと変わった『水』を用いた化学の研究を行っています。 自然界では『水』がもつ能力を活かして、日々いろいろな物質が作られています。自然から学ぶことで『水』の機能を最大限引き出し、環境に優しい化学が実現できると考えています。 この『水』を使って、有効利用されずに捨てられている農林水産残渣などの地域資源バイオマスから付加価値の高い機能性材料 (食品や医薬品) を創っています。例えば、イカ中骨に含まれるキチンからナノファイバーをウォータージェットで作っています。化化学学・・材材料料学学科科化化学学・・材材料料学学科科生生物物化化学学研研究究ののフフロロンンテティィアアがが拓拓くく未未来来ととはは??『『水水』』のの能能力力をを活活かかししててババイイオオママススかからら機機能能性性材材料料をを創創るる
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