信大NOW153号
6/20

大阪・関西万博には未来の暮らしを体験し、参加者全員で未来について考える共創ゾーン「フューチャーライフエクスペリエンスステージ」が設けられています。6月26日、このステージに信州大学医学部「周産期のこころの医学講座」の村上講師が登場し、”未来の「産後うつ」を予防する” をテーマに講演。会場に詰め掛けた多くの来場者との活発な質疑応答もあり、大いに盛り上がりました。むら かみ ひろし 本間 香菜子氏フリーアナウンサー産後うつの当事者や妊婦ではない方も含めて、幅広い世代の方々が会場に詰め掛け、村上講師との活発な質疑応答もあり、大いに盛り上がりました。医学部医学科周産期のこころの医学(寄附講座)講師(特定雇用)気分の落ち込みや無気力、強い不安やイライラ、食欲や睡眠の異常、赤ちゃんへの関心の低下̶。妊産婦や父親の中には、周産期にこうした「産後うつ」の症状に苦しむ人が1〜2割程度いると言われており、国内だけでなく国を越えた共通の問題となっています。こうしたなかで、今回、信州大学医学部 周産期のこころの医学講座の村上寛講師は、大阪・関西万博のフューチャーライフエクスペリエンスステージで、「未来の産後うつを予防する」というテーマで講演しました。村上講師は、妊娠中と出産後において、妊産婦や父親のこころの状態や配慮するべき点について解説。「お腹の中に赤ちゃんがいるのだから○○することは当たり前」だとか、逆に「 ○ ○は控えなくてはいけない」といったように、妊娠中 の 女 性(文・佐々木 政史)には 大きなプレッシャーやストレスが掛かっている問題について言及し、臨床のなかでも、そのような相談が多く寄せられていることを伝えました。これに対して、会場からも、「お酒が好きなので、妊娠中に飲めないことはつらいけれど、さらにそのような時にパートナーが気兼ねなく飲んでいると寂しい気持ちになる」「タバコが好きだったけれど、妊娠して赤ちゃんへの影響を考えて止めた。今も実は吸いたいけれど、頑張って我慢している」と共感する声が挙がりました。村上講師が「好きなことを止めることは相当な努力が必要になり、本当にすごいことです。パートナーや周りの人は正論をぶつけるのではなく、辛さに寄り添うことが大事だと思います」と理解を示すと、司会のフリーアナウンサー本間香菜子さんが「寄り添うとは、具 体 的に?」と深掘り。村上講師は他のリフレッシュ方法を見つけることを提案し、「臨床の現場では、信州大学医学部 周産期のこころの医学講座 村上 寛 講師05 大事なことは辛さにしっかり寄り添うこと未来について考える共創ゾーン「フューチャーライフエクスペリエンスステージ」で講演村上 寛未来の産後うつを予防する

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る