8月14〜19日、大阪・関西万博のEXPOメッセWASSEで、文部科学省主催の「わたしとみらい、つながるサイエンス展」が開催されました。20を超える大学と研究機関がブースを出展し、未来の暮らしや社会についての研究を紹介。信州大学もアクア・リジェネレーション機構が出展し、持続可能な社会へ向け“水を起点としたアクション”を世界各国の来場者に呼び掛けました。「みずから、はじめる。From Water, From Myself.」大阪・関西万博での信州大学の展示スローガンです。ブース入口をはじめ、展示内のいたるところに記され、「持続可能な社会へ向け、水を起点としたアクションを一緒に起こしましょう」と呼び掛けました。S D G sの目標を達 成するためには、2030年までに現在の4倍の速度で取り組まなければいけない状況です。また、地球の持続可能性を示す指標のひとつである「プラネタリーバウンダリー」を見ると、3分の2の項目で限界を超えています。こうした状況の中で、アクア・リジェネレーション機構は、水に関わる先端科学の研究を通じて課題解決に取り組んでいます。しかし、地球再生という大きなアクションを実現するには、大学の力だけでは到底足りません。そのため、今回の万博展示でアクア・リジェネレーション機構信大クリスタルを大きく表現した立体的なウォールパネルで、ナノサイズの世界を目で見て触って楽しめるように。信州大学の展示ブース。 入り口には「みずから、はじめる。 の研究に触れることで、持続可能な世界の実現へ主体的に関わる意識を持ってもらい、まずは水という身近なテーマから“一緒にアクションを起こしませんか”と呼び掛けました。展示では、本学アクア・リジェネレーション機構を代表する3つの先端科学技術を、“体験型”で紹介しました。ひとつめの展示は、手嶋・萩尾・林・山田研究室が出展した「信大クリスタル」です。自然界で結晶が成長するメカニズムを活用した「フラックス法」でつくった高機能結晶材料で、人体に有害な重金属イオンを効率よく吸着できます。研究室ではこの性質を活用した浄水技術で、貧困や環境問題の解決に向けて取り組んでいます。今回の展示では、ナノサイズの信大クリスタルを大きく表現(文・佐々木 政史)した立体的なウォールパネルを用意し、目で見て触って楽しめるように。また、その仕組みを動画で体感できる展示も用意。タッチパネルの鉛イオン(重金属イオンのひとつ)をタッチすると、3Dホログラムの映像が動き出し、信大クリスタルが鉛イオンを吸着する様子が直感的に分かるようにしました。また、信大クリスタルをさらに体験してほしいと、同技術を活用したマイボトル専用の浄水設備「swee(スウィー)」を設置。実際に浄水した水を提供し、その技術を“味わっ03まずは水から一緒にアクションを起こしませんか文部科学省主催「わたしとみらい、つながるサイエンス展」に出展しました!「信大クリスタル」世界を救う結晶材料を見て、触って、味わって!“水を起点に”持続可能な社会へ世界にアクションを呼びかける
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