2025年8月25日、信州大学は日置電機との水素エネルギー分野における包括連携に関する協定の締結式を行いました。本学ではアクア・リジェネレーション機構を中心に、水および水由来エネルギーに関する研究等を推進しており、日置電機が強みとするインピーダンス計測技術と、本学の触媒技術等の材料研究を掛け合わせることにより、脱炭素社会に不可欠な水素エネルギーにおける「つくる」「ためる」「はこぶ」「つかう」といった従来の枠組みに加えて、‘はかる(計測)’という新たな領域から、水素社会の実現を加速化するための重要な柱を打ち立てることを目的として連携協定を締結いたしました。協定の締結により、これまで日置電機との間で築いてきた電池性能評価や水電解・MCH評価に関する共同研究、学生の就職・交流などの協力関係を強化させると共に、化学、材料、電気電子、計測、計算科学など多岐にわたる水素エネルギー領域の技術者・研究者を育成するために、産学が協力することで、社会実装(出口)を意識した教育研究の環境を創出し、多面的な連携のもと、研究開発、新規事業の創生、人材交流、教育・育成、地域・社会貢献等の分野で相互に協力し、科学技術の振興および産業と社会の発展に寄与することを目指します。2025年9月12日、塩尻市市民交流センター「えんぱーく」にて、「第11回信州大学見本市」を開催しました。本イベントは、信州大学の研究成果やシーズを広く社会に発信し、地域イノベーションを推進することを目的に毎年開催されており、今回で11回目を迎えました。当日は、学内の多様な研究成果や地域連携プロジェクトを紹介する70を超えるブースが出展され、集まった約200人の来場者は研究者と直接交流しながら、最新の成果や技術を体験しました。特設ブースでは、コース改編を行った農学部の新たな取り組みや、信州大学の国際的な活動が紹介され、学生や地域企業の担当者、行政関係者らが熱心に耳を傾ける姿が見られました。併せて開催された特別講演プログラムでは、研究者が最先端の研究事例を紹介しました。講演内容は、環境や農業、ライフサイエンスなど多岐にわたり、参加者は質疑応答を通じて、研究と社会課題の接点について理解を深めました。中村宗一郎学長(右から3人目)関係者による記念撮影。左から清水聖幸 理事(研究、産学官・社会連携担当)、曽根原誠 工学部准教授(信州大学見本市実行委員会幹事長)、中村宗一郎 学長、百瀬敬 塩尻市長、安田弘法 理事(教学グローバル担当)17信州大学と日置電機との水素エネルギー分野における包括連携協定を締結地域と未来をつなぐ ― 第11回信州大学見本市を開催
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