店舗に置かれたトレーニング機器。店舗では、こうした機材を使った筋力トレーニングはもちろん、VRを利用した有酸素運動も併せて行っている。 インターネットやSNSの普及により情報があふれている現代―。何が本当に正しいことなのか判断が難しいこの時代に、「エビデンスに基づき、現段階で最も適切であろう運動メニュー・食事メニューを伝えたいと思ってこのジムを開設しました」と内田さんは話します。医者ジムには、体のどこかが痛む人、健康的に痩せたい人、健康診断等で何かしらの指摘を受けた人など、さまざまな利用者が来るといいます。こうした方々に対し、予防医療を専門に研究している内田さんは、最新の医学的見地から、一人ひとりの健康状態にあった運動・食事メニューを考え、利用者の体質改善を支援しています。「有酸素運動・筋力トレーニング・食事を3本の柱として、体質や疾患に合わせた最適なメニューを組んでいます」と内田さん。どういう疾患の時に、どこの筋肉を鍛えるのが良いのかを考え、時には論文の情報も精査しながら、最も効率が良いと思われるトレーニングメニューを利用者に提案しているそうです。さらに、トレーニングメニューを提案して終わりにするのではなく、1週間に1度、利用者と面談の機会を持ち(リモート面談含む)、トレーニングの進□度 合いを確 認しながらアドバイスを行っているとのこと。一人で行うトレーニングはモチベーションを維持することが壁になりがちですが、利用者に寄り添う“伴走型支援”を行い、モチベーションを保つためのサポートをしています。医者ジムでは、直接訪れてトレーニングすることも可能ですが、それ以外の場所で行う「リモートパーソナルトレーニング」も推奨しています。利用者にスマーMedSciSportLab代表 内田 晃司さん PROFILEMedSciSportLab代表 内田 晃司さん PROFILEMedSciSportLab代表 内田 晃司さん PROFILE防衛大学校卒業後、航空自衛隊に入隊しパイロットを経験した後、脳の認知機能障害と飛行時間との関連を研究したいと、信州大学医学部に入学。上述の研究に加え、高齢者に対する運動介入(病気の予防や身体機能回復のために運動を取り入れること)の効果に関する研究も行う。2022年にMedSci SportsLab(医者ジム)を立ち上げ、エビデンスに基づいた健康に良いパーソナルトレーニングを普及させるため尽力中。ビジネスの傍ら予防医療を中心とした臨床業務・研究活動にも従事している。医師・医学博士。日本医師会認定健康スポーツ医。日本スポーツ協会(JSPO)スポーツドクター。(文・平尾 なつ樹)トウォッチを付けてトレーニングをしてもらうことで、カロリー消費量や心拍数、血中酸素レベルなどの様々な値を確認できるため、ジムを訪れずとも状況を把握できるのです。このため、松本市外はもちろん、県外から医者ジムを利用している方々もいらっしゃるといいます。食 事 にお いては 、3食 すべ てのメニューをアプリに記録してもらい、どんな栄養が足りず、どんな食材をとる必要があるかをアドバイス。「負担感がなく続けてもらえるように、各々が実現できそうな食材の取り入れ方を考えて指導しています」と話します。オプショナルサービスで、管理栄養士による1週間のレシピも提供して 医学部卒業生の内田晃司さんが2022年にオープンした「医者ジム」。松本市内にあるこのジムは、医師が利用者それぞれの健康状態に合わせてトレーニング方法・食事メニューを考え、利用者の体質改善を支援する、全国でも類を見ないトレーニングジムです。現役の医師であり、信州大学発スタートアップ企業「MedSciSportLab」の代表を務める内田さんに、医者ジムが提供する新しいサービスとその可能性について聞きました。ジムを訪れなくても大丈夫!リモートトレーニングも可能医師のエビデンスに基づいたパーソナルな運動・食事メニューメッドサイスポーツラボ11 信州大学発スタートアップ企業MedSciSportLab(医者ジム)現役医師による新スタイルのトレーニングジム、予防医療の「医者ジム」が話題!
元のページ ../index.html#12