信大NOW153号
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ラムダ技術部YouTubehttps://www.youtube.com/@lambdatech(入江 一帆さん)兵庫県生まれ。小学6年生から中学3年生の1学期まで中国上海市の日本人学校に通う。神戸市立工業専門学校電子工学科卒業後、信州大学工学部電子情報システム工学科に編入。同2020年3月卒業。大手IT企業などを経て、現在は音楽、映像、ウェブページなどを制作するソフトウェアエンジニアとして長野市で活動。 ラムダさんが動画制作に取り組むきっかけとなったのは、高等専門学校と大学生時に行っていた塾講師のアルバイトでの“ある気付き”だったそうです。ご自身は幼い頃から理科や数学に関心がありその面白さを強く感じていましたが、塾で教えている生徒は必ずしもそうではないことに気付いたといいます。「それは受験科目としての理科や数学しか見ていないからではないか」と考え、もっと日常の身近な事柄と結びつけて、エンターテインメントの要素も入れながら面白い動画をつくって伝えるようにすれば、理科や数学の本当の面白さを分かってもらえるのではないか―。そう考え、2015年に初めてYouTubeに動画を配信。ラムダ技術部の活動がスタートしました。その後は、大学での学業などに忙しく、あまり活動ができていない時期が続きましたが、本格的に動画配信に取り組む大きな契機がありました。2019年から始まったコロナ禍です。当時、ラムダさんは新卒でのIT企業1年目だったそうですが、緊急事態宣言が発出され、いきなり自宅でのリモートワーク。通勤時間がない、飲み会などの機会もないといった状況のなかで、自由な時間を比較的多く持てたそうです。そしてその際に取り組んだのが動画配信でした。「世の中は大変な状況でしたが、ラムダ技術部としては現在の活動につながる良いきっかけだったと思う」とラムダさんは振り返ります。今後の展望については、YouTubeでの動画配信の他にも、イベントなどにもっと取り組んでいきたいそうです。ラムダ技術部の 活 動 の 根 底 には、「理数系の面白さをもっと広く知ってもらいたい」ということがあります。それを伝える手段は、これまでは主に動画配信でしたが、今後はもっと様々な手段で取り組んでいきたいといいます。特にイベントは、最近オファーが増えているそうで、「やっぱり表情や反応が直接見ることができますので、とてもモチベーションアップになります」とラムダさん。8月15日には、大阪・関西万博で行った本学アクア・リジェネレーション機構 遠藤守信研究室とコラボレーションし、信大RO膜の浄水性能を一般に分かりやすく、そして面白く伝えたイベント「“最強の浄水器vs激マズ汁”」(本誌P.8に詳細内容掲載)を実施しました。「実は子どもの頃に、愛知県で開催した『愛・地球博』に行って様々な展示を見たことが、理科や数学の面白さを感じるきっかけのひとつになりました。今度は、同じ万博でそれを伝える側の立場に立てたことに感慨深いものを感じます」とラムダさん。活動の可能性をますます広げていこうとしているラムダ技術部̶。「今後も様々な手段で、理科や数学の面白さをもっと広く分かち合っていけたら」。そう話すラムダさんとロッシーさんの表情と語り口には、エンジニアならではの冷静さとともに、秘められた熱い情熱も感じられました。塾講師アルバイトが動画制作のきっかけさらに、コロナ禍が活動の後押しに動画だけでなくイベントなどにも活動が広がる10ラムダさん PROFILE

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