信大NOW152号
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11空き家をシェアハウスに再生地域とつながる仕掛けづくりもいしかわ ス ムス ムひろゆき石川裕之さん PROFILE1984年生まれ、千葉県茂原市出身。2008年、信州大学工学部社会開発工学科建築コース卒。大学時代は自転車サークルに所属し、全国を旅する。松本市役所建築職での勤務を経て、2019年に合同会社SumSumを設立。現在、空き家をシェアハウスとして改修し貸し出す事業などを通じて、浅間温泉街のまちづくりに情熱を傾けている。昭和期に建てられた古い木造賃貸アパートの風情が好きで、壊されそうになっていると守りたくなる。石 川さんが 運 営を行っているシェアハウスのひとつ「浅三荘」。元々の建 物の趣を残しながら改修することにこだわっているそうです 長い歳月を経て飴色に磨き上げられた板張りの廊下、摺りガラスの入った木製ドア、毛筆で書かれた旧字体の表札―。一瞬、昭和の時代にタイムスリップしたかのような感覚を覚えるこの建物は、信州大学志を持っていきいきと活躍する信大同窓生を描くシリーズの第13回は、合同会社SumSum(スムスム)代表社員 石川裕之さん(工学部卒業生)をご紹介します。松本の奥座敷とも言われ、レトロな街並みが残る「浅間温泉街」。市街地や信州大学松本キャンパスが近いことから、住宅街や学生街と一体となり栄えてきましたが、近年は空き家の増加や住民の高齢化などから元気がなくなってきています。石川さんはこうした実情を変えようと、まちづくりに奮闘。松本市のなかでも先駆けて空き家となっている古い建物をシェアハウスとして改修し貸し出す事業を行い、温泉街に再び活気と賑わいを取り戻すことに情熱を傾けています。(文・佐々木 政史)工学部卒業生で合同会社SumSum代表社員の石川裕之さん(40歳)が運営を行っているシェアハウスです。石川さんは松本市の浅間温泉街で、空き家となっている昭和期に建築された木造賃貸アパートなどを買い取り、改修してシェアハウスとして再生し、運営する事業を行っています。「松本市ではこうした事業におそらく最も早い時期から取り組んできたのではないでしょうか」と石川さんは話します。現在は3つの建物を運営しており、取材では昭和30年 代に建てられた旅 館 従 業員向けの 下 宿を改修した「浅三荘(あさみそう)」を案内していただきました。入居者の女性SumSumのシェアハウスでは、入居条件に草刈りや祭りといった地域のコミュニティ活動への参加を求めています。「隣近所を気にせずに、気軽に一人暮らしを楽しみたいという学生にはちょっとハードルが高いと感じるかもしれませんね」と石川さんは笑います。それにもかかわらず、こうした入居条件を設けているのは、シェアハウス事業を通じて、浅間温泉街の活性化を目指しているからです。浅間温泉街は松本市街地からに住み心地を聞くと、「古い建物は心が落ち着きます」と、ここでの暮らしをとても気に入っている様子でした。合同会社SumSum代表社員さん松本市で空き家活用まちづくりの先駆け再び、浅間温泉街に活気と賑わいを石川 裕之 工学部卒業生

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