医学科研究紹介2025-2026
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病棟カンファレンス論文作成血液病理カンファレンス当院で行われているがんゲノムエキスパートパネル(専門家会議)の様子国□学会での研究結果発表の様子 (Annual meeting of American Society of Clinical Oncology 2023)シーケンス準備 国際学会にて われわれの総説論文から(Araki T, Kanda S, et al. Jpn J Clin Oncol 2023.)血液内科は血液疾患のcommon diseaseから稀な疾患まで幅広い分野を扱う学問です。大学で見る血液疾患の多くは難治性ですが、治癒にこだわるアグレッシブな診療姿勢を学ぶ一方で、人間の尊厳を最大限に考慮した謙虚な診療態度の習得を目指すとともに、チームワークに根付いた診療と、病因・病態の深い理解を目指した研究の実践を心がけています。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像がんの診療と教育、研究を行っています。腫瘍内科は全身のがんの薬物療法を行い、稀少がんや原発不明がんといった診断や治療に苦慮することが多い悪性腫瘍にも対応しています。臓器横断的・俯瞰的な視点でみたがんの研究を行っています。がんの診断・治療は目覚ましい進歩を遂げていますが、それでもまだがんを克服することはできておらず、そこにはクリニカルクエスチョンやアンメトニーズがたくさんあります。われわれは日々のがん診療の中で生まれたそうした課題を元に臨床研究を立案・実施しています。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像・ 骨髄異形成症候群の分子学的病態の解析・ 難治性血液腫瘍に対する細胞免疫療法の開発・ NK細胞・T細胞腫瘍の病態解析と治療方法の開発・ 顆粒リンパ球増多症と赤芽球癆の臨床研究および病態解析血 液 疾 患 の 病 因 病 態 学 的 背 景 が 解 明 さ れ る こ と が 、 診 断 な ら び に 治 療 方 法 の改 善 に つ な が っ て い き ま す 。 目 の 前 の 症 例 を 丁 寧 に 観 察 し 、 そ の 病 因 と 病 態を 紐 解 く こ と で 、 病 気 の 見 え 方 が が ら り と 変 わ り え ま す 。 そ の ダ イ ナ ミ ズ ム を 感じ 取 り な が ら 、 日 々 の 研 究 と 診 療 に 携 わ る こ と が で き る の は 、 血 液 内 科 な ら では の 醍 醐 味 で す 。・国内外の研究施設との共同研究等を通じて世界へ情報発信する研究者・臨床医の育成・リサーチマインドを備えた臨床血液専門医の育成を探索する研究した臨床研究がんという難治性疾患の領域で新しい知見を発見することは大きな喜びです。がんの臨床研究は多施設で共同で行うことが多く、その共同研究の中で他施設の同じ志を持つ研究者とのかけがえのないフレンドシップができるでしょう。 ・ 日本臨床腫瘍研究グループ(Japanese Clinical Oncology Group; JCOG)などの多施設臨床研究グループや長野県内の関連施設と共同したがん治療の臨床試験・ 免疫チェックポイント阻害薬や分子標的治療の効果予測因子・副作用のリスク因子・ 長野県内のがんゲノム連携病院や全国のがん遺伝子パネル検査のデータを活用・ がん薬物療法専門医の資格取得・ 長野県内他施設の腫瘍内科での研修・ 国立がん研究センター中央病院・研究所などへの国内留学33血液・腫瘍内科学血液内科チーフ:教授 牧島 秀樹血液・腫瘍内科学腫瘍内科チーフ:教授 神田 慎太郎信州大学医学部医学科発行年月:2024年7月 発行:信州大学医学部血液内科のダイナミズムを体感しようがん治療とその臨床研究のプロフェッショナルを育成しています

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