(a)(d)【非接触型血流評価機器:レーザースペックルフローグラフィー】【肢切断イモリの完全再生過程】(b)200nm【ミトコンドリアによる創傷治癒研究】(a)ヒト線維芽細胞のMt(b)単離Mtの電子顕微鏡像 (c)Mt単離時のWesternblot(d)Wound Healing Assay(c) 形成再建外科学は、先天異常、外傷あるいは腫瘍切除が原因で生じた組織欠損を再生修復する方法を探求する学問で、全診療科の中でも唯一、治療のために形を作り出す診療科です。組織欠損を解決することで、外観の異常と機能の低下を改善し、生活の質を向上させる臨床の現場に直結する研究と教育を行っています。解剖学や形態組織学に加えて、創傷治癒、組織移植や組織再生など、あらゆる手段を探求し、それを臨床の現場に活かしていきます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像当科では病理医、臨床検査医それぞれの立場から各科と関わっています。病理医が行う病理診断は、多くの疾患の確定診断や治療方針の決定に欠くことのできない存在となっています。当科では遺伝子診断を始めとし、様々な最先端の技術をとり入れて病理診断に応用し、的確で有用な診断を提供しています。臨床各科と検討会を開催し、診断精度の向上や要求に応えられるよう努力しています。病理医が果たすべき役割はますます重要になっています。臨床検査医もまた適切な検査の施行、検査の精度管理および臨床医のアドバイスなど、効率よく正しい検査を行うためになくてはならない存在となっています。当検査部でも感染制御など多くの部門で臨床検査医が各科と密な連携をとり医療の質の向上に努めています。研究は以下に示すように、病理学的なものから遺伝子解析や検査全般に及ぶものまで多岐にわたっており、医師、技師問わず、専門性を生かした研究を行っています。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像顔 の 各 部 位 の 大 き さ は 様 々 で す が 、 日 本 人 の 顔 の 基 準 が わ か れ ば より よ い 治 療 へ つ な げ る こ と が 出 来 ま す 。 ま た 現 在 で は 欠 損 す る と 修 復 が難 し い 口 唇 や 指 を 失 っ て も 近 い 未 来 に は 再 生 で き る か も し れ ま せ ん 。そ ん な 未 来 を 目 指 し て 様 々 な 手 法 を 用 い て 研 究 を 行 っ て い ま す 。大 学 や 関 連 病 院 で 幅 広 い 分 野 の 手 術 症 例 を 経 験 し 、 医 学 研 究 を 行 うこ と で 科 学 的 視 野 の 育 成 を 図 り な が ら 、 形 成 外 科 医 と し て の ス キ ル を 磨い て い き ま す 。 そ の 後 は 大 学 職 員 や 関 連 病 院 の 医 師 と し て 勤 務 、 ま たは 開 業 さ れ る 先 生 も い ま す 。IgG4関連疾患の病態解明病気のメカニズムを解明することは、治療法のない病気への治療法開発につながります。研究発表や研究留学を通して世界中の研究者と交流が持てます。病理医の活躍の場は多岐に及んでおり、大学病院、市中病院での病理医だけでなく、臨床と基礎の橋渡し的な立ち位置から、研究者としての病理医の道も選ぶことも可能であり、各自のライフスタイルにあった働き方を選ぶことが可能です。・ 日 本 人 顔 面 の 成 長 変 化 に 関 す る 顔 面 計 測 学 的 研 究・ 赤 唇 の 再 建 、 再 生 に 向 け た 組 織 学 的 、 分 子 学 的 研 究・ ミ ト コ ン ド リ ア ( M t ) 移 植 に よ る 創 傷 治 癒 促 進 効 果 の 研 究・ レ ー ザ ー ス ペ ッ ク ル フ ロ ー グ ラ フ ィ ー を 用 い た 新 規 血 流 評 価 法 の 開 発・ イ モ リ の 皮 膚 再 生 に お け る 組 織 学 的 、 分 子 学 的 研 究・ 爪 甲 変 形 に 対 す る 新 規 治 療 法 開 発 の た め の 組 織 学 的 研 究• 癌幹細胞に着目した腫瘍の臨床病理学的解析•• 炎症性□疾患関連腫瘍の免疫組織学的・遺伝学的検討• 工学系との連携による病理組織画像AIの応用開発31形成再建外科学教授 杠 俊介病態解析診断学信州大学医学部医学科発行年月:2024年7月 発行:信州大学医学部全年齢・全身の機能と見た目を取り戻し、人生を豊かにする未来の治癒と再生を目指そう病理医と検査医が拓く未来を経験しよう
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