人工内耳を介したDDSによる蝸牛神経保護・治療に関する研究ヒト遺伝性難聴モデルに対する病態解明と新規遺伝子治療開発耳鼻咽喉科頭頸部外科学教室メンバー遺伝子発現解析による頭頸部癌の微小環境解析主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像女性特有の臓器である子宮や卵巣は、その生涯において劇的に変化します。妊娠や出産は最も劇的な変化であり、ここでは正常と異常がいつも背中合わせです。このような女性特有の変化および疾患を理解し、上記の産婦人科学問分野に加えて、発生学、病理診断学、画像診断学等を駆使して診療を行っています。医療は急速に進歩しておりますが、未だ解決されない問題が数多く存在します。女性生殖器癌の内、特に子宮内膜癌や卵巣癌は罹患数・死亡数ともに急速に増加しており、発症・進行のメカニズム解明とそれによる新規治療法や予防法の開発は、大きな課題であります。また我が国は周産期医療の進歩により、世界で最も安心して出産できる国になっておりますが、妊娠予後に大きく作用する妊娠高血圧症候群や子宮内胎児発育遅延の発症メカニズムの解明も不十分なままです。体外受精胚移植など、生殖補助医療の進歩はめざましいものがありますが、 染色体異常の発生率の増加など、今後clearすべき課題は山積しております。また、未だに受精卵の着床のメカニズムは十分には解明されていません。私達は、これらの問題点を課題として、各研究班で研究に取りEMBO pressより教室メンバー耳鼻咽喉科頭頸部外科では、聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚などほとんどの感覚器を扱います。中でも聴覚はヒトの重要なコミュニケーションツールであり、その障害によってQOLは大きく低下します。当科では難聴のメカニズムや新規治療法を探る研究を行っています。また、頭頸部領域には鼻腔、口腔、舌、咽頭、喉頭、頸部食道などが含まれ、嗅覚・摂食・嚥下・音声などヒトが生きていくために重要な機能を司っています。それぞれの部位に発生する癌はQOLを大きく低下させ、命の危険も伴います。多種多様な頭頸部癌を遺伝子発現から捉え、新たな治療ターゲットを見つける研究を行っています。組んでおります。【 疾患班名 】1. 婦人科腫瘍班2. 周産期・胎盤班3. 生殖・内分泌班研究・診療内容の概要産婦人科は周産期、婦人科腫瘍、生殖・内分泌といった、3大専門分野をもち、さらに女性のヘルスケアを加えた主に4分野からなる幅広い学問分野を有します(図1参照)。産科婦人科学は、生命の誕生から終末期に至るまで、女性を生涯にわたってサポートしようという学問体系であり、またこれを臨床現場において実践していく診療分野です。1,人工内耳を介したDDSによる蝸牛神経保護・治療に関する研究2,耳科疾患診断・治療のデータベース構築と新規 AI 診断・解析システム開発3,ヒト遺伝性難聴モデルに対する病態解明と新規遺伝子治療開発4,進行性難聴により前庭障害を起こす因子とメカニズムの解明5,遺伝子発現解析による頭頸部癌の微小環境解析6,頭頸部癌患者におけるがんリハビリテーションの有効性に関する検討7,長野県の空中花粉の多様性と地域性に関する検討難聴の根本的な治療法はまだ一つも見つかっていません。当教室の研究により、新たな耳科疾患の治療モデルが見つかり、将来的に多くの難聴患者さんの治療に役立つ可能性があります。また頭頸部癌の新たな治療ターゲットが見つかることで、癌治療を大きく向上させる可能性があり、夢は広がります。大学病院で診療の研鑽を積みながら、研究を続けることが出来ます。また海外留学や国内の研究施設で研究を発展させることができ、教室として積極的に支援します。 28耳鼻咽喉科頭頸部外科学教授 工 穣産科婦人科学生命誕生から耳科疾患や頭頸部癌のあたらしい診断・治療を目指して!終末期に至るまで 2024-2025 医学科研 究 紹 介
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