医学科研究紹介2025-2026
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心臓手術の様子患者さんの長期予後まで配慮したより安全で確実な手術を目指すiPS細胞を用いた心筋再生Shiba, et al. Nature 2016;538: 388-391.より引用改変右肺上葉気管支分岐と区域体積の研究肺の自己修復・再生能力の研究 血管新生因子を発現・分泌する組換えビフィズス菌製剤を用いた新薬を創出・開発している当科では、心臓疾患から大動脈疾患、静脈やリンパ管をも含めた末梢血管疾患に至るまで、体内の循環臓器全般を対象とした外科治療を行っています。特に重篤な全身合併症をお持ちの患者さん、超高齢者の患者さん、複合病変をお持ちの患者さんなどに対する集学的治療においては、大学病院という利点を活かし循環器内科をはじめとした各診療科との連携のもと、患者さんの長期予後まで配慮したより安全で確実な手術を目指して診療を行っています。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像医師としての「二つの天命」とは、病気で苦しむ人を助けること、そして 科学者として生命現象の解明に務め、医療の発展に貢献することです。外科医にとっての臨床(手術)と研究は、武士道における文武両道(文武は一方に偏ってはならない)をあらわすといえます。医療の高度化や,安全と質の確保のため、多忙な日々の臨床のなかで、二つ目の天命である「研究」を遂行することは難しい状況ですが、それを果たすことができる大学の外科学教室の存在と意義は、今後極めて重要さを増すと考えます.人の集う、若者の集う、日本一の呼吸器外科学教室を目指して臨床と研究の両立を目指しています。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像の 開 発 研 究当科では,優れた臨床医の育成を目標として,卒後臨床研修において,科全体で力を注いでいます.より多くの手術ができる専門医となり、世界に情報を発信できる医師を育てます。基礎研究から臨床研究まで、幅広い疑問や興味に対して、その知識と理解を深めるための研究を行い、その成果を日本そして世界に向けて発信することができる「academic surgeon」を目指しましょう。・ i P S 細 胞 を 用 い た 心 筋 再 生・ 胸 □ 部 大 動 脈 手 術 に お け る 合 併 症 の 予 防 法 の 開 発・ 組 換 え ビ フ ィ ズ ス 菌 を 用 い る 疾 患 部 選 択 的 な 新 規 虚 血 性 疾 患 治 療 薬・ 心 臓 移 植 後 拒 絶 反 応 の 病 態 解 明 と 治 療 法 の 開 発今 日 乗 り 越 え ら れ な い た め 禁 忌 と さ れ て い た こ と が 、 ひ と つ の ブ レ ー ク スル ー ( 壁 を 打 ち 破 る 事 柄 ) に よ り 明 日 に は 適 応 と な る こ と が あ り ま す 。 臨 床に 役 立 つ ブ レ ー ク ス ル ー 研 究 を 行 い 世 界 に 情 報 を 発 信 す る こ と が 我 々 の夢 で も あ り ま す 。・ 3 D C T 画 像 を 用 い た 肺 区 域 解 剖 の 研 究 ( 図 )・ 肺 癌 に 対 す る C A R - T 細 胞 療 法 の 研 究・ 肺 癌 と 肺 内 微 生 物 叢 に 関 す る 研 究・ 肺 縮 小 切 除 モ デ ル を 用 い た 自 己 修 復 ・ 再 生 能 力 の 研 究 ( 図 )・ 肺 癌 の 経 気 腔 進 展 ( S T A S ) に 関 す る 研 究・ 肺の非呼吸機能(non-respiratory function)に関する研究が ん の 部 位 別 死 亡 率 第 一 位 で あ る 肺 癌 が 我 々 の 主 な 研 究 対 象 で す 。我 々 が 行 う 全 て の 研 究 が 、 個 々 の 患 者 さ ん へ の 利 益 に つ な が り 、 さ ら に将 来 的 な 呼 吸 器 外 科 学 の 進 歩 に つ な が る こ と を 目 指 し ま す 。19心臓血管外科学分野チーフ:教授 瀬戸達一郎呼吸器外科学分野チーフ:教授 清水 公裕外科学外科学ひとりひとりの患者さんに最先端で最適な医療の提供をめざして「二つの天命」を果たすことができる教室を目指して

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