直腸癌に対する集学的治療 ~諦めない治療を実現~放射線化学療法→骨盤内臓全摘+仙骨合併切除KRAS変異消化器癌に有効な治療法の開発KRAS G12C阻害剤(ソトラシブ、アダグラシブ)、G12D阻害剤(MRTX1133)の耐性シグナルを解析信州大学における累積生存率を示す。膵島移植に用いる膵島ドナー膵臓から分離・純化した膵島(赤く染色された細胞)をレシピエントの門脈に移植する。 ・当科の肝移植の歴史は、1990年の本邦3例目の生体肝移植移植に端を発しており、以来300症例以上の肝移植を施行し、術後20年以上経過した症例を経験しています。移植後には肝移植後拒絶反応、感染症のみならず、妊娠・出産を経験されたり、癌を発病された方もおり、今もなお術後管理には解決すべき問題があります。・膵島移植については、2013年に日本膵・膵島移植研究会より膵島分離・移植施設として認定され、その後「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づいた第1種再生医療等として承認されて、膵島分離・移植実施体制を整えています。食道癌、胃癌、大腸癌の治療を中心に診療を行っています。ロボット支援手術を積極的に取り入れ、低侵襲で質の高い手術を目指しています。また、術前化学療法や放射線化学療法、他臓器合併切除も実施した癌の集学的治療に力を入れています。基礎研究にも注力し、消化器癌のドライバー遺伝子であるKRAS変異や、スキルス胃癌に見られるRhoA遺伝子の変異をターゲットとした新しい治療法の開発に取り組んでいます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像周術期管理、長期管理に精通し、移植外科医として移植医療を担います。・ 食 道 癌 手 手 術 の 術 中 モ ニ タ リ ン グ に よ る 反 回 神 経 損 傷 予 防 、 再 建 □ 管 血流 の 定 量 化 に よ る 縫 合 不 全 予 防・KRAS変異大□がん、膵がんに有効な治療法の開発・スキルス胃癌における変異型RhoAの機能解析C R I S P R - C a s 9 な ど の 遺 伝 子 改 変 技 術 、 フ ロ ー サ イ ト メ ー タ ー 、 そ し て 細 胞イ メ ー ジ ン グ 機 器 ( O p e r e t t a ) を 用 い る こ と で 、 多 数 の 遺 伝 子 変 異 に 対 して 、 そ の 機 能 解 析 や 薬 剤 耐 性 を 短 時 間 で 正 確 に 評 価 で き ま す 。 こ れ ら の結 果 を 解 析 し 、 大 □ が ん 、 胃 が ん 、 膵 が ん な ど の 新 規 治 療 法 の 開 発 を 目指 し て い ま す 。癌 の 幅 広 い 基 礎 知 識 や 最 新 の 機 器 を 用 い た 研 究 手 法 を 学 ぶ こ と が 出 来る た め 、 癌 の 研 究 や 臨 床 に 携 わ る 仕 事 に 就 く 場 合 は 、 本 研 究 で 得 た 知 識 ・技 術 が 非 常 に 役 に 立 つ と 考 え て い る 。・ 周 術 期 を 含 め た 肝 移 植 患 者 管 理 に お け る 諸 問 題 の 解 決・ ヒ ト 膵 島 分 離 ・ 移 植 の 実 施 に 向 け た シ ミ ュ レ ー シ ョ ン・ 膵 島 保 護 作 用 の 研 究・ 肝 移 植 領 域 に お い て は 、 2 0 年 を 超 す 長 期 生 存 患 者 を 得 て お り 、 そ の 経験 を も と に さ ら に 長 期 生 存 を 目 指 す と と も に 、 新 規 肝 移 植 症 例 で の 問 題解 決 に 活 か し ま す 。・ 膵 島 移 植 領 域 に お い て は 、 国 内 の 他 の 認 定 施 設 と と も に 、 本 邦 に お い ては 比 較 的 新 し い 治 療 法 で あ る 膵 島 移 植 療 法 の 確 立 に つ と め ま す 。・移植治療に不可欠である免疫抑制療法、細胞保護などの知見を深め、移植患者の18外科学消化器・移植・小児外科学分野消化管 班チーフ:講師 北沢 将人外科学消化器・移植・小児外科学分野移植・小児 班チーフ:准教授 三田 篤義肝移植周術期・長期経過の問題探求と膵島細胞移植の推進 手術から遺伝子まで-新たな癌治療への挑戦-2024-2025 医学科研 究 紹 介
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