消化器・移植・小児外科学分野研究・診療内容の概要抗癌剤耐性獲得後のミトコンドリア量増加を示す電顕写真膵癌細胞の抗癌剤耐性獲得機序におけるミトコンドリアの関与 外科学教室消化器外科部門では、肝胆膵班、消化管班、移植・小児班の3班に分かれた体制で診療、研究を行っています。主な対象としている疾患は、肝癌、膵癌、胆道癌、食道癌、胃癌、大腸癌などの消化器悪性腫瘍で、手術治療だけでなく、診断や化学療法など、各疾患に対する治療を総合的に担当しています。移植・小児班では難治性肝疾患に対する生体肝移植、脳死肝移植を早くから施行し、良好な術後成績を得ている他、小児外科疾患に対する外科治療全般を担当しています。各グループごとに消化器癌の治療方法や移植、再生医療に対する臨床研究、基礎研究を行っています。研究内容の詳細については各グループのページをご覧ください。主な診療テーマ肝胆道膵悪性腫瘍に対する治療成績の向上進行胃癌や進行大腸癌に対する、拡大手術と抗癌剤治療を組み合わせた集学的治療胸腔鏡、腹腔鏡を用いた、食道癌、胃癌、大腸癌、肝癌、膵腫瘍に対する低侵襲外科治療小児、成人の難治性肝疾患に対する生体、脳死肝移植術小児外科疾患に対する外科的治療【 疾患班名 】1.肝胆膵班2.消化管班3.移植・小児外科班肝胆膵領域悪性疾患は手術による切除が治療の第一選択ですが、さらなる手術の安全性の向上や手術に伴う臓器機能低下の制御、術前・術後補助療法やconversion surgeryを企図した有効な新規治療法の開発など、取り組むべき課題はたくさんあります。外科学教室肝胆膵グループでは、癌細胞におけるミトコンドリアによる酸化的リン酸化二着目した抗癌剤耐性獲得機序の解明や、MASLDの線維化進行過程・発癌過程における新規バイオマーカーの同定、膵癌の新規ドライバー遺伝子・薬剤耐性関連遺伝子の同定など、臨床医療への応用を目指して研究を進めています。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像・ 膵 癌 細 胞 の 抗 癌 剤 耐 性 獲 得 機 序 の 解 明 と 耐 性 無 効 化 薬 剤 の 開 発・ 膵 癌 の 新 規 ド ラ イ バ ー 遺 伝 子 ・ 薬 剤 耐 性 関 連 遺 伝 子 の 同 定 と 創 薬 ・ d r u g・ M A S L D モ デ ル マ ウ ス と s i n g l e c e l l R N A シ ー ク エ ン ス を 用 い た 細 胞 間 コミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 解 析 に よ る 微 小 環 境 に お け る 免 疫 応 答 の 解 明 と 治 療 薬の 開 発・ 手 術 や 抗 腫 瘍 薬 剤 単 独 で は 治 療 効 果 が 不 十 分 な 肝 胆 膵 領 域 悪 性 疾 患に 対 し て 、 そ れ ら を 組 み 合 わ せ た 新 た な 治 療 選 択 肢 を 提 供 す る こ と で 治療 成 績 が 向 上 し ま す 。・ よ り 効 率 的 な 補 助 療 法 や 臓 器 機 能 向 上 療 法 の 併 用 に よ り 積 極 的 な 手 術r e p o s i t i o n i n g療 法 が 可 能 に な っ た り 、 手 術 の 安 全 性 が 向 上 し た り し ま す 。大学に在籍、あるいは国内外の先進施設に留学して研究を推進する、肝胆膵外科領域のspecialistとしての手術手技や資格の獲得を目指す、市中病院で消化器外科専門医として活躍する、などいろいろな選択肢があります。17外科学外科学消化器・移植・小児外科学分野肝胆膵 班チーフ:准教授 清水 明消化器癌の手術成績向上難治性肝疾患に対する移植医療消化器癌治療と再生医療- 基礎から臨床へ -
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