3 教職員への効果あああああああああああああああああああああああああああああ 小学校のある教師が,幼稚園の保育を参観し,研究会で「正直,小学校の子供たちの姿を見て,できないことややらないことが多くて気になっていた。しかし,今日,園児の姿を見て,色々できることがたくさんあることを知った。小学校の子供たちが『できない』のではなく,できなくさせているのは教師なのかもしれないと思った。」と語った。 4 保護者への効果あああああああああああああああああああああああああああああ アンケートの記述の中には「学校園の教育目標や取り組みは理解していて,子供の姿からもそ③領域から教科へ接続するタイミングの妥当性 昨年度までの研究から,「ことば」「かがく」領域について,領域から教科への接続のタイミングは,小学校3年生になるときであることが示唆された。今年度,「くらし」「ひょうげん」領域についても,同様に3年生から教科へ接続することが適切であると示唆された。それは,前述の事例にあるように,3年生に近づくにつれて,子供の学び方は,教科のように細分化された,より専門的な見方・考え方を働かせながら目の前の事象を捉えていくことが見えてきたからである。 本学校園に赴任し,子供たちに出会ったとき,「教師がやらせようとすることをやらない」と感じる教職員もいた。しかし,各学校園の教職員で『3つのよさ』を視点として子供の姿を語り合ったり,校園種を超えた参観をしたりすることで,自身の子供の見方,そして,自身の教育観を揺さぶられることとなった。 また,公開研究会後の教職員へのアンケートの中で,幼稚園職員からは,「子供たちの成長段階や環境の変化に合わせて,指導の内容や方法が変わっていくということ,未来の変化に応じた指導を要することを感じました」との記述があった。また,中学校職員からは,「子供を教科ごとで見るのではなく,中学校生活全体で見ること,また幼小中と学校に通う中で中学校という一部を担うという視点で考えることが大事であり,そのような視点で授業をしたいと変わった」との記述があった。 幼小中で連携を取りながら研究を進めていくということは,幼稚園の子供が遊びを通して多くのことを学び,小学校に入学してきていることに目を向けること,小学校を卒業し中学校に入学すると子供がどのように歩んでいくかに思いを至らせるということ,更にどのような姿で,中学校を卒業していくのかという,その子の未来を想うことである。そして,教師一人一人がその意識をもって,目の前の子供たちと接することができるようになることなのであろう。 の成果は感じられる。その反面,実際にどのような授業が進められているのか,学校での取り組みの内容がわかりにくい印象はある。教育目標の理解が不十分な保護者もいるため,学校園の役割や目的など理解を深め浸透させていく取り組みも望む。」との声があった。 学校園の取組の発信については,保護者や地域に何をどのように伝えるのか,その中身の充実が求められる。今後更に丁寧な発信が必要であることを認識しなくてはならない。 一方で,本学校園に見られる『3つのよさ』のアンケート項目については,「自己表現力」「課題探究力」「社会参画力」のどの項目においても,高い水準で推移していることがわかり,学校園で願う子供の姿が,それぞれの家庭で実感され,認めていただけていると捉えられる。中でも,「課題探究力」の伸長の実感については,おおむね右肩上がりに肯定的な回答の割合が増加している。「学校で作成したダンボールの家が楽しかったようで,それを持ち帰って来てから何週間も経つが,今も増設中である。自分なりの課題があり完成させたい気持ちがあるようだ。学校は子供が夢中になる環境であると感じている。」という声もあった。学校での学びが,学校内に留まらず,家庭にも広がり,子供たちの『よさ』の伸びを感じていただけているのだろう。
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