令和5年度研究開発実施報告書
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Ⅳ 研究開発の成果及びその分析 1 実施の効果の検証方向についてああああああああああああああああああああああ (1)基本方針:学びの評価「何をどのように学び,何ができるようになるのか」 ≪成果≫ 教科横断的な学びを支えていくために,どのように各教科等の見方・考え方が働いたり,資質・能力が活用・発揮されたりしていくかを,教科の垣根を越えた教員間で意見共有し,学びを支えるようにした。そうすることで,他教科の学びを生かすことができるような材の選択,課題の設定について,協働的に考えていくことができるようになり,教科と教科のつながりを意識した授業を構想する際の有効な方策となった。このような取組を行ったことで,他教科の学びを生かしながら,教科の学びを深めたり,自分なりの納得解や最適解を創出したりする生徒の姿が見られている。また,「各教科や学級総合等で学んだことを学校・家庭生活,身の回りの地域などに生かそうとしている(別冊資料 調査結果アンケート 12~14歳期(中学生)対象 参照)」の数値が高いことについても,教科等横断的な学習を積み重ね,様々な教科での学びを生かしながら課題を解決していった経験や実感があるからこその結果であると考えられる。 ≪課題≫ 一方,生徒自身が自覚的に他教科の資質・能力を発揮し学びを深めることができたかについては課題が残っており,自覚化する経験を積み重ねていくための方策を考える必要がある。自分が担当する教科の評価をするのはもちろんのこと,教科横断的な視点で学びを捉え,生徒の学びを意味づけ,自覚化を図り,汎用的に活用・発揮できるようにしたい。 新しい時代を生き抜く園児・児童・生徒が,何事に対しても主体的に取り組もうとする意欲や他者と協働しながら問題解決を図っていく資質・能力を育成するために,児童・生徒の学びの状況から具体的な支援の手立てを見出し,「児童・生徒が,何をどのように学び,何ができるようになるのか」を総合的に評価する。 ①「何をどのように学ぶか」についての評価の方針 学びの対象については,育成すべき資質・能力の視点から,幼小中を通じ遊び・領域・教科を“縦に”貫く力を明確に捉え,各学年の発達段階に応じて評価するとともに,各学年の教科・領域等で習得すべき力及び教科・領域を“縦に”貫く力を内容・活動に即して評価する。 一方,学びの方法については,前述の力を習得していくにあたり,全人教育の立場から児童・生徒が「全き人」(Homo totus)として,どのように「ひと・もの・こと」と互恵的な関わりを深め高めるとともに組織化・活用できたのかを質的に評価する。 ②「なにができるようになるか」についての評価方針 学びの成果については,課題の発見や解決に向けた探究的な学びの過程に伴う,学びへの関心・意欲・態度,学び方等の変容について評価する。特に,教科・領域等で習得した力を実社会や実生活の中で活用した成果を主体的・協働的に表現することを重視する。 (2)幼小中一貫教育の実現に関する評価方法 ①幼小中一貫校としての「令和5年度公開研究会」の開催 本年度は,幼小中一貫の視座から「2023 年度公開研究会」を実施した。【遊び】【遊びの領域化】【領域の教科化】【教科等の総合化】の保育・授業を公開した。保育・授業研究協議会を開いて,学外の教育学研究者及び来校者から「自己表現している姿」「課題探究している姿」「社会参画している姿」の3つの側面から子供の資質・能力の伸長や教師の支援,幼小中

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