令和5年度研究開発実施報告書
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図1【カリキュラムの全体像】 あり,子供を肯定的に捉え,もっとその子供を肯定的に捉えうるような場面をまなざしていくことである。 また,そのように,目の前の子供が,「何に心を動かされているのか」「何を楽しいと思っているのか」と,その子の「思いや願い,問い」を探ったり,他の職員と子供のよさや学びの姿を共有したりする中で見えてきた,「自己表現力」(自分らしく表現する姿など)や,「課題探究力」(自分なりのこだわりを追究する姿など),「社会参画力」(友達と一緒に協働する姿など)を,本学校園の子供に内在するよさとして捉え,その3つを,本学校園の子供を見つめる共通の視点としている。今では校園種を超えて,この『3つのよさ』を視点に,子供の姿を捉え,その子の高まりや変容を語り合えるようになってきている。 子供がもともと持っている資質・能力の強みである『3つのよさ』を視点に子供の姿を見ていくと,子供は自分の「思いや願い,問い」をもとに,とことん活動にうちこんだり,とことん追究したり,探究したりしていることがより鮮明に見えてきた。そして,他の資質・能力の要素を巻き込みながら,豊かに学んでいけることが見えてきた。こうした見方を共有しながら私たちは,「たくましく心豊かな地球市民」に向けて「思いや願い,問い」をもとに,やりたいことや目標に向かって「よさを発揮している姿=学び」を幼小中 12 年間通して支えるための教育課程を編成した。(図1) ②「子供に内在する資質・能力『3つのよさ』」と資質・能力の「三つの柱」 私たちは,子供は地球市民としての何らかの資質・能力をもともともっていると考え,『3つのよさ』を本学校園校の子供に内在する資質・能力の強みとして見いだした。そこには,「資質・能力を外側から操作するもの」という発想をできるだけ排し,「その子がもともと持っている資質・能力の顕在化を支援する」とか,「その子がもともと持っている資質・能力が拡充したり深まったりするように学習環境を整える」ことが大事だという考え方が通底して

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