R3R4R5100%90%80%70%60%50%40%30%20%10%0%H30R15 分からない4 当てはまらない3 あまり当てはまらない2 やや当てはまる1 とても当てはまる感じる教職員もいた。しかし、各学校園の教職員で『3つのよさ』を視点として子供の姿を語り合ったり、校園種を超えた参観をしたりすることで、自身の子供の見方、そして、自身の教育観を揺さぶられることとなった。 また、公開研究会後の教職員へのアンケートの中で、幼稚園職員からは、「子供たちの成長段階や環境の変化に合わせて、指導の内容や方法が変わっていくということ、未来の変化に応じた指導を要することを感じました」との記述があった。また、中学校職員からは、「子供を教科ごとで見るのではなく、中学校生活全体で見ること、また幼小中と学校に通う中で中学校という一部を担うという視点で考えることが大事であり、そのような視点で授業をしたいと変わった」との記述があった。 幼小中で連携を取りながら研究を進めていくということは、幼稚園の子供が遊びを通して多くのことを学び、小学校に入学してきていることに目を向けること、小学校を卒業し中学校に入学すると子供がどのように歩んでいくかに思いを至らせるということ、更にどのような姿で、中学校を卒業していくのかという、その子の未来を想うことである。そして、教師一人一人がその意識をもって、目の前の子供たちと接することができるようになることなのであろう。 ⑤保護者への効果 アンケートの記述の中には「学校園の教育目標や取り組みは理解していて、子供の姿からもその成果は感じられる。その反面、実際にどのような授業が進められているのか、学校での取り組みの内容がわかりにくい印象はある。教育目標の理解が不十分な保護者もいるため、学校園の役割や目的など理解を深め浸透させていく取り組みも望む。」との声があった。 学校園の取組の発信については、保護者や地域に何をどのように伝えるのか、その中身の充実が求められる。今後更に丁寧な発信が必要であることを認識しなくてはならない。 一方で、本学校園に見られる『3つのよさ』のアンケート項目については、「自己表現力」「課題探究力」「社会参画力」のどの項目においても、高い水準で推移していることがわかり、学校園で願う子供の姿が、それぞれの家庭で実感され、認めていただけていると捉えられる。中でも、「課題探究力」の伸長の実感については、おおむね右肩上がりに肯定的な回答の割合が増加している。「学校で作成したダンボールの家が楽しかったようで、それを持ち帰って来てから何週間も経つが、今も増設中である。自分なりの課題があり完成させたい気持ちがあるようだ。学校は子供が夢中になる環境であると感じている。」という声もあった。学校での学びが、学校内に留まらず、家庭にも広がり、子供たちの『よさ』の伸びを感じていただけているのだろう。 (2)実施上の問題点と今後の課題 ①再編成した教育課程の評価 本学校園で見出した『3つのよさ』を軸に子供の育ちを支えてきた結果、【遊び】【遊びの領域化】【領域の教科化】【教科等の総合化】の 12 年間の教育課程の評価・再編を行い、【遊びの領域化】を小学校1・2年生、【領域の教科化】は小学校3年生から6年生までが妥当だと判断した。再編したカリキュラムを実施することを通して、カリキュラムの妥当性を評価・再編し続けることが今後の課題である。 ②共通の視点である『3つのよさ』の更新 教職員へのアンケートで、「特別の教育課程の意義や目的の理解」は向上傾向にあるものの、約1割の教職員が「分からない」「当てはまらない」「あまり当てはまらない」という結果が得られた(図 17)。一つの附属松本学校園となっていくために、本学校園の『3つのよさ』について、校園種を超えた教職員が、目の前の子供の姿から再考し続け、更新をし続けることで、より多くの教職員が、『子供から』に徹した実践を手掛かりに、子供に、そして、この先の時代に必要とされる資質・能力を志向していくことが重要であると考える。 図 17 本学校園における特別の教育課程の意義や目的への理解はどのくらいか(教職員)
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