環境報告書2025
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Shinshu University Environmental Report 2222・環境法入門【EA】・再生可能エネルギー概論材料、水処理・環境と材料科学&生物科学・動物と人間社会・環境保全論入門・生物と環境・環境共存の社会学入門・環境問題の社会学入門・環境マインド実践基礎論・自然環境と文化・農山村と野生動物及び環境・木質の科学・自然災害と環境・土壌学ゼミ・信州生態資源ゼミ・モノを辿るアプローチゼミ・ドイツ環境ゼミ・環境心理学ゼミ・環境と暮らしを考えるゼミ・生物多様性保全について考えるゼミ(国内編)・生物多様性保全について考えるゼミ(国際編)・環境学入門【EA】環境科学は、人間とそれをとりまく自然的、物理的、化学的環境との相互作用を扱い、その関係を持続的に維持するための方法論の体系です。信州大学では、単に理論だけでなく、全学を挙げてエコキャンパスを構築し、その継続的改善という実践を通じて「環境マインドをもつ人材の養成」に力を入れてきました。「環境マインド」とは、人と自然を愛する心の豊かさを志向しつつ、現代社会が直面する環境問題を科学的に理解し、問題解決に向けて行動する精神のことです。本授業では、長野県内を中心に環境問題に関する実務の第一線で活躍されている行政、企業、研究者等の方々をゲスト講師として招聘し、実際に行われている取り組みや、それにどんな思いで取り組んでいるかなどについてお話しいただきます。ゲスト講義は11回設けており、講師の方から伺う「様々な立場での環境の課題への関わり方」、「環境問題にかかわる際の思い」、「実践にあたっての様々な課題」等を通じて、環境分野に関する視野を広げ、自発的に考え行動する環境マインド実践力を養います。この授業は、講義形式にとどまらず、受講生の皆さんにアウトプットしてもらう機会も設けています。授業後半では、ゲスト講義で扱った内容の中から興味を持ったテーマについて各自調査を行い、グループ内で発表演習を行います。また、ゲスト講義の振り返りとして、グループのメンバー内で学んだことを共有する時間も設けます。同じ講義を聞いていても、印象に残っている話や考えた事柄などは人それぞれです。多様な意見に触れることで、自分にとっての「環境分野との関わり方」を見つけてみてください。日本の環境社会学は、公害や大規模開発などの問題の解決を目指す「環境問題の社会学」と、民俗学や人類学・地域研究が牽引し「環境共存の社会学」として展開されてきた研究がベースになっています。「環境共存の社会学」では自然環境と調和して共存してきた社会の特徴を探究します。地域の環境再生の試みや資源循環型の町づくり、グローバルなレベルにおける人間社会と自然との共生などのテーマ群を含みます。この講義を通じて、かつて人と環境の関係がどういうものであったのか、現在それがどういう状態におかれているのかを見定める知恵や想像力を養います。講義の前半では、自然環境と調和し共存してきた社会の特徴を先住者たちの生活様式や生業から考察します。主な事例を東マレーシア、サラワク州(ボルネオ島)のバラム河流域からとり上げます。熱帯雨林に暮らす狩猟採集民の生活や生業の様式を概観し、彼らの食糧の確保、資源やエネルギーの利用にみられる諸特徴を理解します。後半では、グローバル・コモディティや一次産品と呼ばれるモノを例に、社会経済的なグローバル化をめぐる問題群について考えます。地球環境と私たちとの関係や両者が抱える現代的課題を追究しながら、他人や地球をできるだけ傷つけない社会への手がかりや可能性を探ります。気候変動をはじめとする環境問題への関心が高まる一方で、「自分の生活とどう関わっているのか分からない」「実際に何をすればよいのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。本授業では、私たちの暮らしと環境問題とのつながりを具体的に考え、身近なところから環境への負荷やその原因、影響、対策について探究します。たとえば、自宅で使う電気やガス、日常的に使用する家電がどれくらい温室効果ガスを排出しているのか、どんな行動が環境に影響を与えているのかを調べ、自分ごととして環境問題を捉え直します。さらに、個人だけでなく、大学を例に組織としての環境保全活動にも目を向け、信州大学が取り組むエコキャンパス実現のための新たな企画を学生の視点から提案します。また、授業では講義や探究活動を通して得た気づきや考えを受講生同士で共有する時間も設けています。自分の意見を言葉にすることで理解が深まり、他の受講生の多様な視点に触れることで新たな発見や広い視野を得ることができます。自分の暮らしと環境問題の関わりを理解し、解決に向けて自分にできることを主体的に考え、行動につなげる力を養うことを目指します。信州大学の全ての学生は、共通教育科目の教養系「環境科学」から、必ず1科目(2単位)以上を履修します。環境科学は、次の内容から構成されています。授業科目授業の概要の例環境への取り組み環 境 科学・ 環境のためのナノカーボン、エネルギー・ Low Energy Building(省エネルギー住宅)ゼミ「環境マインド実践基礎論」「環境共存の社会学入門」「環境と暮らしを考えるゼミ」2-1 環境教育環境マインドの醸成02

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