ビジョンと経営戦略活動実績ガバナンス人と地域の資産財務情報株式会社Unseed 代表取締役CEO (総合理工学研究科 電子情報システム専攻 修了生)山邊 璃久 さんUnseedのAIサービスについて説明する山邉さん※国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「大学発新産業創出基金事業スタートアップ・エコシステム共創プログラム」に採択「信州大学発スタートアップ認定企業」の認定式の様子。本学 中村総一郎学長(左)と株式会社Unseed 代表取締役CEO 山邊 璃久さん(右)IJIEのウェブサイトIntegrated Report 2025 Shinshu Universityるスタートアップで、2024年3月に設立されました。“本当のAI”の提供です。「世の中でAIとして提供されているものの中には、実は“AIっぽいもの”も多い」と山邊さんは明かします。例えば、質問に対してあらかじめ用意した回答を返すといったもので、これは質問に対しての応答システムに過ぎないといいます。一方で山邊さんの考える“本当のAI” は、質問者からどのような角度の質問が来ても、膨大なデータを分析・思考し最適な回答を提供できるようなものだそう。まだ設立から日が浅いUnseedですが、大きな注目を浴びており、例えば製造業の大手企 業で良 品と不 良 品を識 別するためのUnseedのAIが導入されています。また、今後の成長分野である衛星データを活用した事業を行う企業でも、UnseedのAIは導入されているそうです。今後の展望についてお聞きすると、「目下の目標はサービスの質をより高めていくこと。それと、出身地である長野県内の企業にAIを通じて貢献していきたいですね」と山邊さん。AIの開発拠点は日本では首都圏に集中しており、長野県内の企業がAIを経営に取り入れ山邊さんが目指しているのは、ようと考えても、思ったように取り組めないことも多いそうです。山邊さんが代表を務めるUnseedも東京に拠点を置いていますが、積極的に長野県へ足を運び、サービスを提案していきたいと考えています。それにあたり、「信州大学発スタートアップ」の称号を授与されたことの恩恵はとても大きいといいます。スタートアップは門前払いされることもあるそうですが、「信州大学のお墨付きを得たことで、信頼性や認知度の向上につながり、特に長野県内企業に提案する際には大きな安心感がある」と話します。U n s e e d 山邊さんの 挑 戦は始まったばかり。若き起業家の今後の 飛 躍 に 期 待が高まります。IJIE(アイジー:Inland Japan Innovation Ecosystem)は、甲信・北関東の7大学が持つ特色ある研究成果や技術を基に、自治体や金融機関と連携し、スタートアップの創出と成長を図るプラットフォームで、本学が主幹機関を担っています。ベンチャーキャピタルや先進地域と協力して地方発スタートアップを創出。独自のイノベーションエコシステムを築き、地域産業との連携により新たな付加価値や雇用を生み出し、地域の活性化と経済発展に貢献します。信州大学は、研究成果を活用し事業化を目指す企業を「信州大学発スタートアップ」として認定し、事業計画のブラッシュアップや金融機関・事業会社とのマッチングなど多様な支援を実施しています。加えて大学院生向けの「大学発技術系ベンチャー実践論」や、試作・検証を支援する「POCファンド」、全キャンパスのシェアオフィス設置など起業環境を整備。2025年7月現在、認定企業は24社に達し、SUIRLO(学術研究・産学官連携推進機構)内のスタートアップ・事業化推進室を中心に成長を後押ししています。活動実績産学官・社会連携独自の認定制度で大学発スタートアップを積極支援“本当のAI”を提供 製造業や衛星データ解析で導入社会を変える大学発のスタートアップを創出する地域のプラットフォーム「IJIE」※信大発スタートアップの称号が信頼性や認知度の向上に2024年6月、AIを活用して企業のDXを支援する株式会社Unseed(東京都文京区)は、22番目となる「信州大学発スタートアップ認定企業」の称号を授与されました。本学大学院の修了生でもある代表取締役CEOの山邊璃久さん(25歳)に、若き起業家の挑戦をお聞きしました。「AIで人間の可能性を拡張したい―」株式会社Unseed代表取締役CEOの山邊 璃久さんはそう話します。同社は法人向けにAIを活用した業務の効率化などを行ってい21INTERVIEWAIで人の可能性を拡張したい“地方発”スタートアップを創出地域の活性化と経済発展に貢献02
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