総合人間科学系研究紹介2025
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3 東南アジア低地熱帯雨林を構成する樹種の中で優占する分類群の1つであるフタバガキ科の種子とその種子を主要な餌資源とする昆虫。環境マインド実践ゼミⅡ マレーシア演習旅行の様子。オランウータンの保護活動について現地スタッフの説明を受けている。授業のようす1授業のようす2 浅野 郁 講師名古屋大学農学部生物環境科学科卒業。京都大学大学院人間�環境学研究科修士課程卒業後、同大学院博士課程修了(博士�人間�環境 学 )。2019 年 に 信 州 大学全学教育機構(現�全学教育センター)に着任。安達 弘通 准教授東京大学卒業後、同大大学院にて学位取得。高エネルギー加速器研究機構を経て現職。共通教育では力学、電磁気学をはじめとする物理学関連の授業のほか、一般教養の授業も担当。人文・社会・環境科学教育部門 研究から広がる未来「生物多様性はなぜ大切なのか?」と疑問を抱く人は多いですが、「文化財はなぜ大切なのか?」と疑問にもつ人は少ないのではないでしょうか。それぞれの生物種は、長い進化の“歴史”をもち、 “唯一無二”の存在であり、“資源”としての有用性も保持しています。生物多様性に関する基礎情報が蓄積されることで、多くの文化財と同様、大勢の人々にその重要性を認識してもらえると期待しています。卒業後の未来像私たち“ヒト”も陸上生態系を構成している 1 種です。生物学を学ぶということは、私たちヒトについても理解を深めることに繋がります。生物学的視点から人間社会を俯瞰することで、環境問題を含む様々な社会問題についても新たな気づきが生まれるでしょう。研究から広がる未来たとえば上に述べた成果は、磁石のNSを操作することでエックス線ビームの中に時間的、空間的な強度構造を作り込む未来技術の可能性を示唆しています。エックス線を使った超微細加工や放射線治療への応用が期待できます。またエックス線と磁石との相互作用はエックス線の偏光とよばれる情報を調べるうえでも役立つのです。エックス線を出しているブラックホールなどの観測研究にも貢献できるかもしれません。卒業後の未来像物理やそれを処理して行く数学の力は理科系の方であれば専門を理解して行くうえで土台となるものです。どこかで役に立つかもしれないと信じて、いっしょにがんばって行きましょう。環境科学関連の講義・演習科目を担当しています。専門は生物多様性科学、昆虫生態学。季節性の乏しい東南アジア熱帯雨林では、日本に分布しているような 1 年周期で開花・結実する植物は稀で、高木層を構成している樹種の多くは数年に 1 度しか花を咲かせません。また、低木層を構成している植物種の大半は、いつ・どれくらいの頻度で花を咲かせるのか未だ明らかになっていません。そこで、マレーシアのボルネオ島を主な調査地として、植物の繁殖頻度とそれら植物の繁殖器官を利用している昆虫の生態について地道な野外調査により研究を進めています。 エックス線はものにあたると突き抜けたり、吸収されたり、はね返されたりします。磁石にあたったときには磁石のN極とS極がどちらを向いているかで突き抜ける量や跳ね返される量が変わります。古くから知られている現象ですが、磁石の向きに依存して変化する割合はごくごくわずかであることがふつうです。私たちの研究室では、その割合を大きくする新しい原理を見出し、磁石の向きによってエックス線のはね返る量が倍ほども変わる現象を実現しました。このようなエックス線と磁石が織り成すさまざまな現象の研究やそれを利用した物質の解明、新しい技術の開発などを行っています。自然科学教育部門総合人間科学系全学教育センター総合人間科学系全学教育センター植物の繁殖器官を利用する昆虫の生態と多様性の解明磁性体一般、および放射光と磁性体の相互作用に関する教育・研究

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