36LEE JI HA 准教授 2015 年 に 韓 国 の 慶 尚 国立 大 学 で 理 学 博 士 を 取 得後、北九州市立大学博士研究員、広島大学先進理工系科学研究科の助教を経て、2024 年 よ り 現 職 に 着 任。超分子化学、ゲル材料。ゲル: 液体と固体の中間的な材料。外部刺激により、硬さ、形状、弾力、色などが変化する。栄養素の内包と放出光刺激によるゲル - ゾル転移と制御された栄養素放出未来社会を支える緒分子ゲルの応用例農業から医療、エネルギー分野まで幅広い応用が期待 研究から広がる未来 超分子ゲルの研究を通じて、環境にやさしい素材の開発、生体模倣材料、副作用の少ない薬の届け方、効率的な農業など、地球と人にやさしい未来の実現を目指しています。これからの社会には、地球にも人にも配慮した「新しいものづくり」が求められています。私たちの研究は、そのような未来を形にしていくための確かな一歩です。さらに、私たちは分野の枠を超えた連携を通じて、次世代に誇れる持続可能な社会の実現に貢献していきます。卒業後の未来像本研究室で培った材料設計力と課題解決力を土台に、環境・医療・農業など多様な分野での活躍を目指します。持続可能な社会を支える研究者・技術者として、地球規模の課題に取り組み、世界に貢献できる人材を育成します。本研究室では、分子間に働く弱い結合「超分子相互作用」の精密な制御を通じて、環境に配慮し再利用が可能な、持続可能なゲル材料の開発に取り組んでいます。中でも、光・熱・pH などの外部刺激に応答して構造や物性が変化する、高い柔軟性を持つ「超分子ゲル」に注目しています。私たちは、可逆的な結合を組み込んだ独自の分子設計により、これまで両立が困難とされてきた強度とリサイクル性を兼ね備えた新たな材料の創出を目指しています。さらに、こうした材料特性を応用し、薬物、農薬、栄養素などを内包し、外部環境に応じて放出を制御する「スマートデリバリーシステム」の構築にも取り組んでいます。繊維科学研究所総合人間科学系繊維科学研究所超分子ゲルで社会課題の解決に挑む
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