総合人間科学系研究紹介2025
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31松村 英生 教授㈶ 岩 手 生 物 工 学 研 究 セ ンタ ー 主 任 研 究 員 を 経 て2010 年 1 月に着任。研究分野は遺伝子の発現などを大規模に解析する機能ゲノム学や植物の遺伝的な改良を研究する育種学。山中 仁木 准教授酪農学園大学獣医学科卒業酪農学園大学大学院修了獣医師�博士(獣医学)博士研究員、長崎大学先導生命科学研究支援センター助 教 を 経 て、2017 年 12月より現職。MSDNA シークエンサーを使って単離した DNA の塩基配列を決定することができます。沖縄県との共同研究で、パパイヤの性(雌雄)決定のメカニズムの解明についても研究を行っています。動物実験施設の外観実験用マウスから分離されたヘリコバクター属菌ヘリコバクター属菌に感染した免疫不全マウスに見られた脱肛症状 研究から広がる未来当研究室では、できるだけ最新の DNA 解析技術や、その情報を取り入れて作物の品種改良に貢献することを目指しています。作物の種類によって生殖(交配)の方法、病気、環境から受けるストレスは異なっています。ゲノム情報を活用することで今までよりも短期間に品種を育成して、環境の変化に対応した、食料の安定確保ができるようにしたいと考えています。卒業後の未来像ゲノム解析の技術は全ての生物に共通ですので、研究内容に関連した種苗、食料関連の業界だけでなく医薬等の業界などでも活躍できるような知識、経験を身につけてもらいたいと思っています。研究から広がる未来動物実験を含む研究結果には再現性が求められます。実験動物の健康はもちろん、動物実験の精度を確保するために、病原性あるいは生体へ影響を示す微生物を統御する必要があります。研究で得られた成果は、性状や生体への影響に関する微生物学的な新たな知見として発信できるとともに、実験動物飼育における微生物統御の必要性について、科学的証拠をもって示すことができます。卒業後の未来像ヒトや動物あらゆる環境中に生息する微生物に興味を持ち、微生物学の発展に寄与し、病原微生物について科学的根拠に基づく正しい知識を社会一般に啓蒙できる専門家となることを期待しています。当研究室では、この数年で著しい技術革新が行われている DNA 配列の解析技術を活用して、作物の品種改良(育種)に貢献するための研究を行っています。このような新しい技術によって、作物の全 DNA 配列(ゲノム配列)を解析することも容易になっていますので、農作物の品種間の違いや、各々品種が持つ特性の違いがどのような DNA 配列の違いによるものかを解明することができます。当研究室では、クワや沖縄県との共同研究による熱帯作物までを取り扱い、効率的に新しい品種を育成するための基盤となる研究を行っています。遺伝子実験支援部門研究支援:実験動物の飼養そして動物実験が適切に実施できるよう助言すると共に、動物実験施設の管理運営を通して各研究者の研究発展のため動物実験に関する研究支援を行っています。研究:現在発生するヒトの感染症の内、多くが動物由来(人獣共通)の感染症と考えられています。一方、微生物には腸内の常在細菌のようにヒトや動物宿主と相利共生関係にありながら、宿主の健康状態によって日和見的に病原性を示すものも存在します。これらの点を踏まえて、ピロリ菌以外のヘリコバクター属菌を中心に実験動物における病原性や生体への影響について研究しています。動物実験支援部門総合人間科学系基盤研究支援センター総合人間科学系基盤研究支援センターゲノムの持つ情報を食料生産に活用する動物から検出される微生物の病原性や生体への影響について考える

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