総合人間科学系研究紹介2025
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教員のプロフィール研究から広がる未来卒業後の未来像教員の研究の一部を写真や図とともに紹介はじめに凡  例総合人間科学系全学教育センター研究から広がる未来卒業後の未来像環境マインド実践ゼミⅡ マレーシア演習旅行の様子。オランウータンの保護活動について現地スタッフの説明を受けている。東南アジア低地熱帯雨林を構成する樹種の中で優占する分類群の1つであるフタバガキ科の種子とその種子を主要な餌資源とする昆虫。人文・社会・環境科学教育部門名古屋大学農学部生物環境科学科卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程卒業後、同大学院博士課程修了(博士・人間・環境学)。2019年に信州大学全学教育機構(現・全学教育センター)に着任。浅野 郁 講師私たち“ヒト”も陸上生態系を構成している1種です。生物学を学ぶということは、私たちヒトについても理解を深めることに繋がります。生物学的視点から人間社会を俯瞰することで、環境問題を含む様々な社会問題についても新たな気づきが生まれるでしょう。「生物多様性はなぜ大切なのか?」と疑問を抱く人は多いですが、「文化財はなぜ大切なのか?」と疑問にもつ人は少ないのではないでしょうか。それぞれの生物種は、長い進化の“歴史”をもち、 “唯一無二”の存在であり、“資源”としての有用性も保持しています。生物多様性に関する基礎情報が蓄積されることで、多くの文化財と同様、大勢の人々にその重要性を認識してもらえると期待しています。環境科学関連の講義・演習科目を担当しています。専門は生物多様性科学、昆虫生態学。季節性の乏しい東南アジア熱帯雨林では、日本に分布しているような1年周期で開花・結実する植物は稀で、高木層を構成している樹種の多くは数年に1度しか花を咲かせません。また、低木層を構成している植物種の大半は、いつ・どれくらいの頻度で花を咲かせるのか未だ明らかになっていません。そこで、マレーシアのボルネオ島を主な調査地として、植物の繁殖頻度とそれら植物の繁殖器官を利用している昆虫の生態について地道な野外調査により研究を進めています。 植物の繁殖器官を利用する昆虫の生態と多様性の解明 総合人間科学系には、教育及び学生支援に係る質的向上を推進し、教育の質を保証するために必要な事業を統括することを目的とする教育・学生支援機構に設置された各センター(全学教育センター、アドミッションセンター、高等教育研究センター、e-Learning センター、学生総合支援センター、学生相談センター、キャリア教育・サポートセンター、教職支援センター、グローバル化推進センター)をはじめ、基盤研究支援センター、情報基盤センター、DX 推進センター、学術研究・産学官連携推進機構リサーチアドミニストレーション室等において様々な業務を担当する教員が所属しています。このため、各教員の専門分野は、環境、人文、社会、自然、体育や言語等、多岐にわたり、同時に、基礎から応用までの幅広い研究を行っています。このような多様な研究の成果は、全学部の学生が履修する共通教育において大いに活かされています。 この冊子は総合人間科学系所属教員の教育・研究を紹介したものです。信州大学における幅広い教育や研究に興味をもっていただければ幸いです。総合人間科学系長 杉本 光公令和 7 年 10 月 1 日現在

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