22こいこい松本 2019 の様子スリランカで同窓生と。優秀な留学生のリクルート活動も担当日本で学ぶムスリム留学生は年々増加しているUPM ( マレーシアプトラ大学 ) とのオンライン国際共修プログラム「国際理解と多文化共生を考える」の1シーン。話し合い中留学生が教育学部附属松本中学校の英語科の授業に参加している様子グローバル化推進センター佐藤 友則 教授新潟大卒、2年間の商社勤務の後に日本語教師として勤務。その後、東北大文学研 究 科 に 進 学、 韓 国� 全北 大 で の 3 年 の 客 員 教 員を経て 1999 年から信大。2014 年 か ら 現 職。2017年に多文化共生の活動に対し長野県知事表彰。グローバル化推進センター仙石 祐 准教授京都大学総合人間学部卒業、同大学院人間�環境学研究科修士課程修了、同博士後期課程研究指導認定退学。ク ア ラ ル ン プ ー ル 大 学 マレーシア�日本高等教育プログラム講師を経て 2018年信州大学に着任。留学生教育学会理事�事務局長。研究から広がる未来授業だけでなく多文化共生に関する NPO 法人を主宰しており、その活動に多くの信大生が参加してくれています。外国にルーツを持つ子供に教科や日本語を教えたり、外国の人が抱える問題の解決に悩んだりしています。また「こいこい松本」というお祭りも運営しており、ここでも信大生が外国人や一般の社会人と一緒に異文化を学びつつ、素敵な部屋づくりをする Project を行なう等、幅広く活動しています。卒業後の未来像小中高校では多文化共生について学ぶ機会が非常に少なく、授業では「自分が教員になって多文化共生を教えたい」「日本語教育体制を整備して自分も教えたい」という声をよく聞きます。研究から広がる未来卒業後の未来像国内学生も留学生も、ますますグローバル化が進みかつ混迷の度合いを深める世界において、自らの文化的な基盤や専門性をコアにして、山積する問題の最適解を見つけ、世界を少しでも良くすることに力を尽くしてほしいと思います。適切に設計された国際共修を経験した学生は、オープンな心や柔軟な考えと行動など、様々なスキル・能力・姿勢が身に付くと考えられています。またムスリム留学生に限らず、学びたい、研究したいと願う人ならば、誰でも思う存分に能力を発揮できる場こそが大学のあるべき姿であり、そのような環境の構築に少しでも貢献できたらと考えています。「国際理解と多文化共生を考える」及び留学生への日本語教育を担当しています。日本には 300 万人以上の在留外国人が住んでいます。しかし外国人との共生の意識は低いままです。また、住んでいる外国人への日本語教育もボランティア任せで系統だったハイレベルのものがありません。しかし日本が今後も先進国として発展していくためには、現状から抜け出し、安全で豊かな共生社会を作っていく必要があると考えています。そのための教育、社会的活動を行っています。信大生には優秀な留学生との交流、グローバルコア人材養成コースの受講などを通じて大きく成長してもらいたいです。国内学生と留学生が、正課内外で意味ある交流を通して学び合う体験を「国際共修」といいます。この国際共修にどのような教育的仕組みを創れば学生に異文化間コミュニケーション力や相互理解の姿勢が身に付くのかに興味を持っています。特に、コロナ禍以降広まった COIL 型と呼ばれるオンライン国際共修プログラムや、大学生と幼小中学生との世代を超えた国際共修の実証的研究と教育実践を行っています。もう 1 つの研究テーマは、ムスリム(イスラーム教を信仰する)留学生の支援です。信仰に由来する行動規範が日本人の一般的なそれと異なる彼らが、生活・学習上の困難を克服し、勉強や研究に打ち込むことのできる大学環境整備の調査や支援を行っています。総合人間科学系グローバル化推進センター総合人間科学系グローバル化推進センター多文化共生理解と日本語教育の浸透で新たな「力強い」日本を・国際共修:国内学生と留学生の学び合い・ムスリム留学生支援
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