総合人間科学系研究紹介2025
26/42

紙とえんぴつを使った児童用の紙筆版 IAT 21横嶋 敬行 助教鳴門教育大学大学院学校教育研究科修了、兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科博士課程修了。博士(学校教育学)。公認心理師。2022 年 9 月に信州大学教職支援センターに着任。意識と無意識の2つのシステムについてのイメージです。脳科学の研究領域では、より詳細な機能の分析が進んでいます。日本心理学会シンポジウムの様子研究から広がる未来学校教育では自尊感情の育成が大切にされていますが、意識的な自尊感情が高い場合であっても、無意識的な自尊感情が低いと、精神的健康や適応行動に問題が生じてしまうことをご存じでしょうか。児童期や青年期における意識と無意識の研究の発展は、新しい児童生徒理解の視点を提供してくれると期待されています。卒業後の未来像発達心理学、教育心理学、カウンセリングに関する知識は、教師として「教える側」に立ったときだけでなく、一人の成人として自分自身の心の成長に向き合う力にもなります。私の授業では、自他を尊重し、自律的な生き方を選択できる学生の育成を目指しています。人間の情報処理機能は意識と無意識の2つのシステムに大別され、意識は論理的・統制的な処理を行い、無意識は直感的・自動的な処理を行うと考えられています。どちらも人間が健康的・適応的に生きていく上で欠かせない機能です。近年、これらの研究は大きく発展してきましたが、児童期や青年期の研究に目を向けると、まだまだ発展途上です。私は、潜在連合テストという方法を用いて、児童期や青年期の発達に欠かすことのできない「自尊感情」や「向社会性(思いやりの心)」について、意識と無意識の両側面から研究を進めています。教職支援センター総合人間科学系教職支援センター意識と無意識の両方の視点から子どもたちの心の成長を考える

元のページ  ../index.html#26

このブックを見る