15分 析に用いるプログラミング 言 語 R を使うための統 合開発 環 境(RStudio)です。R はオープンソースかつフリーのソフトなので、世信大の前身�旧制松本高等学校(跡地)では、今も旧制高校の卒業生と研究者が集って研究交流会を開いています。私も大学院時代から通っていました。今はセミナーなどの企画にも関わっています。どうすれば学生は勉強するのか。世界共通の悩みです(笑)。界中の人が競い合い、無料で開発�利用しています。毎月発行されている『私学経営』(私学経営研究会)です。分析では技術だけではなく、対象固有の「ドメイン知識」が大切なので、こういった業界誌で勉強しています。アパラチアン州立大学で、学生を徹底的に鍛える教育法を修得。日本高等教育学会第 26 回大会(千葉大学)での研究報告のようすです。 研究から広がる未来戦前期においては、今以上に、高校・大学に行くというのは一大事でした(まず、中学校に進学する時点でハードルが高かったのです)。出身階層の違う人たちと出会い、自分をみつめ、一生の友を得、卒業後にいかに生きるかを決断する局面は、今の学生と変わりありません。歴史を学ぶことは現在を知ることであり、未来にも変わらぬ「普遍」卒業後の未来像大学で学生は大人として扱われます。学生は自分で考えて生活し、学び、進路を選ぶのです。日々の活動すべてが未来につながる糧となることを意識して、大学生活を謳歌してほしいと思います。研究から広がる未来卒業後の未来像大学への進学行動は、進学する当人だけではなく、社会にも便益をもたらすことが知られています。他方、日本では同世代の半数しか大学に進学していません。大学に進学する意義を噛みしめつつ、社会に還元してくださると嬉しいです。政策・制度の効果を分析していると、特定の目的を達成するために、それらを適切に設計しようとすること自体が、かなり難しいことに気づきます。人間社会の営みは複雑なので、特定の処置・介入のみで成果が上がることは困難なようです。しかし、複雑であり、簡単ではないのだと知ることが、出発点になるのかもしれないと思います。「不易」を知る方法なのです。加藤 善子 教授大阪大学人間科学部卒、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了(博士�人間科学)。専攻は教育学。アパラチアン州立大学助教授、関西国際大学講師などを経て、2009 年信州大学に着任、現在に至る。松宮 慎治 講師大 阪 教 育 大 学 教 育 学 部 卒業。広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了。神戸学院大学事務職員を経て 2023 年より現職。日本の近代化を支え、国の仕組みを作り、社会を動かす人をつくる高等教育機関は、どのような機能を持っていたのかを研究しています。国を動かし、地域の中核となるリーダーを養成するために、国や地域、親たちはどのような学校を作ろうとしたか。どのような教育プログラムによって、学生は、国や地域を支える人材に生まれ変わるのか。信州大学でも、この研究の成果を踏まえ、様々な教育プログラムが設計されています。一年目の試練が四年間の大学生活を支える基礎となり、四年間の大学生活がこれからの皆さんの人生の基盤となるでしょう。高等教育研究センター大学をめぐる制度・政策の効果を、統計分析で検証する研究をしています。研究では、(1)興味のある制度・政策を選ぶ(2)その制度・政策に関係しそうなデータをできるだけ網羅して収集し、分析可能な状態に整備する(3)そのデータを用いて、政策以外による影響を技術的に排除する、という 3つの段階を踏みます。ただし、統計分析を使った研究には、「データがないと検証できない」という弱みがあります。このため、せっかく興味関心があっても検証を諦めざるをえない制度・政策もありますし、逆に目の前にあるデータから、検証できそうな制度・政策を発見することもあります。高等教育研究センター総合人間科学系高等教育研究センター総合人間科学系高等教育研究センター高等教育の社会的意義:歴史と現在「その政策って効果あったの?」を統計分析から考える
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