12松岡 幸司 教授信州大学農学部林学科�人文学部卒業、同人文科学研究科修士課程修了後、名古屋大学大学院にて学位取得(博士�文学)。立教大学講師を経て、2006 年全学教育機構に着任。現職に至る。三澤 透 教授長野市出身。東北大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科修了後、ペンシルべニア州立大学博士研究員、理化学研究所基礎科学特別研究員を経て、2010年に信州大学全学教育機構に着任。現職に至る。「ドイツ環境ゼミ」のドイツ研修にて(ハノーファー市内)ドイツとチェコの国境線上にて エネルギー自給村フェルトハイム遠方宇宙にある明るい天体(クェーサー)からの光が、地球に届くまでに通過する様々な物質によって影絵(吸収線)が作られます。重力レンズ効果を使うと立体的な影絵が得られます。(ドイツ)の視察 ハワイ島のすばる望遠鏡は標高 4,200m の山頂にあります。研究から広がる未来文学(読書体験)を通して、人は対象を間接的に経験します。それは直接的な経験あるいは現実感覚を持つことへのきっかけとなり、対象を「現実的で身近なもの」としてとらえることができるようになります。これは自然や環境だけでなく異文化でも同じことです。とにかく「自分」との関係でものごとをとらえ、同時に自分をふりかえることができるような教育研究をしています。卒業後の未来像どのような分野に進もうとも、自分が取り組むことに対して「現実感覚」を持ち、取り組むことができるような人生をおくれるようになってもらいたいです。研究から広がる未来 ガリレオが自作の望遠鏡で天体観測を行ってから約 400年。この間、望遠鏡の巨大化は目まぐるしく進みました。そして現在の主流は口径 10 メートルクラス。2030 年代には口径 30 メートルクラスの望遠鏡が世界に複数台建設される予定です。これら次世代巨大望遠鏡を使って影絵の観測を行えば、宇宙膨張の直接的な検証、物理定数の普遍性の確認、銀河間ガスの 3 次元地図の作成、などが実現できるかもしれません。卒業後の未来像観測天文学研究室の卒業(修了)生の進路は、研究職、公務員、教員、一般企業(ソフトウェア、メーカー)と幅広く、様々な分野で活躍しています。天文学的なスケールで考えることができる人材が求められている証拠だと思います。ドイツ語や環境文学関連科目を担当しています。そして人間と自然・環境の関係について文学を通して考える「環境文学」という分野に関する研究をしています。自然や環境とは、知識やデータを通して知るだけのものではありません。「自分との関係」で考えて初めて、「自分の問題」として考え、感じられるようになります。この観点を出発点として、自然や環境に関する文学体験を通して、「自分にとって自然・環境とは何か」ということを「現実感覚」をもってとらえるにはどうしたらよいか、ということについて研究しています。言語教育部門影絵のようなユニークな方法を利用して宇宙の研究をしています。宇宙には星や銀河のように明るく輝く天体がある一方で、暗い物質(星間ガス、銀河間ガスなど)も大量に漂っています。このような物質は、背後にある明るい天体(星やクェーサーなど)からの光を部分的に遮る効果を持ちます。ですから地球に到達した光を分光することによって、その天体の虹(スペクトル)に記録された影絵(吸収線)を通して調べることができるのです。このような観測をすばる望遠鏡などを使って行い、クェーサーの内部構造、宇宙の物質変遷の歴史、星間空間に漂う巨大分子、などを調べています。自然科学教育部門総合人間科学系全学教育センター総合人間科学系全学教育センタードイツ・環境・文学:自分との関係で考える世界影絵を使った天体観測:ユニークな観測手法で見えない宇宙を探る
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