6金沢 謙太郎 教授上田高校、東京外国語大学ヒンディー語学科、筑波大学大学院環境科学研究科修了後、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻にて博士号(学術)取得。神戸女学院大学准教授を経て、2008 年秋信大に着任。兼元 美友 准教授関西学院大学文学部、文学研究科修士課程を経て、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程。2002 年信州大学経済学部、2006 年全学教育機構に着任。現職に至る。「信州生態資源ゼミ」では、地域の湧水群やワサビ畑を訪れて、体感的に学ぶ機会を設けています。上の写真はいずれも安曇野市穂高の大王わさび農場(同農場百年記念館長の濱重俊氏の案内による)。アジアの香木に関する研究(フィールドワーク)も行っています。写真左はビャクダン(白檀)の栽培地(インド、カルナ―タカ州コラール地区の農家とともに)。 写真右はジンコウ(沈香)の生育地(マレーシア、サラワク州バラム河上流域、先住民族の案内による)。翻訳ゼミを開講しています 法言語学�翻訳研究の本場での研修人文・社会・環境科学教育部門研究から広がる未来衛星画像や統計資料を使って「鳥の目」で眺望する作業は重要です。しかし、それだけでは現場で苦しみもがいている人びとの顔は見えてきません。地面を這いながらフィールドを見る「虫の目」が必要になります。問題の現場と机上を往復しながら見えてくるものを大事にしたいです。研究にとどまらず、学生のうちは何事も失敗を恐れず、どんどんチャレンジしてください。卒業後の未来像ソニー・マレーシアは「卒業証書をもって熱帯雨林へ」とリクルート広告で呼びかけました。私からいわせれば「卒業までに熱帯雨林へ」です。これまで関わった学生は、研究者や公務員、環境関連企業などで活躍しています。研究から広がる未来法律に用いられている言語や翻訳という活動を分析するということは、「ことば」を通して人間の思考の本質、根幹を問う試みであると感じています。法言語学、翻訳研究ともに日本での歴史は比較的浅く、今後の発展が期待される分野です。「ことば」というものの魅力を発信し、言語学の知見を社会貢献に繋げるためにも、法言語学や翻訳研究は有効な手法だと考えています。卒業後の未来像「言語」や「法律」は、人間や社会について考える際の基盤となります。新たな切り口から両者を分析する手法を学ぶことが、皆さんが社会に出てから求められる問題解決能力を身につける役に立つことを期待しています。授業:「環境問題の社会学入門」では、環境問題や環境運動に関する研究領域から解説します。「環境共存の社会学入門」では、自然環境と調和して共存してきた社会の特徴を探究します。他に「信州生態資源ゼミ」や「モノを辿るアプローチゼミ」など開講中。研究分野:環境社会学、環境人類学主要著作:『熱帯雨林のポリティカル・エコロジー』(昭和堂、2012 年)、「環境社会学の視点からみる世界史―先住者の生活戦略から探る持続可能な社会」(『岩波講座 世界歴史1 世界史とは何か』、2021 年) 「熱帯材と日本人―足下に熱帯雨林を踏み続けて」(『環境社会学講座1:なぜ公害は続くのか』新泉社、2023 年) 理論言語学の一領域である語彙意味論・レキシコンの分野から研究をスタートしました。現在は、言語学の知見を司法領域に応用させる法言語学(Forensic Linguistics)研究と、産業翻訳者としての経験をふまえた翻訳研究(Translation Studies)に取り組んでいます。メディア翻訳におけるパラテクスト、翻訳と外国語学習との関係、機械翻訳(Machine Translation)を英語教育に効果的に活用する方法などを調査、研究しています。「翻訳を通してことばと文化を考えるゼミ」では、海外の映画やドラマの字幕や吹替を実際に作ってみるなど、実践的なワークに受講生たちがとても熱心に取り組んでいます。言語教育部門総合人間科学系全学教育センター総合人間科学系全学教育センター「鳥の目」と「虫の目」:環境問題への複眼的アプローチ法言語学と翻訳に関する研究
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