5勝木 明夫 教授東 北 大 学 理 学 部 化 学 科 卒業、同理学研究科博士後期課程修了、博士(理学)取得後、日本学術振興会特別研究員(広島大学)、信州大学教育学部講師、助教授を経て、2006 年全学教育機構に着任。現職に至る。加藤 彩乃 講師筑波大学体育専門学群を卒業後、同大学院人間総合科学研究科にて博士前期課程修了(体育学)。東京都での特別支援学校勤務を経て、2013 年に着任。専門はインクルーシブ野外教育�アダプテッドスポーツ。左が零磁場、右が強磁場下で成長させた銀樹。零磁場の条件では、樹枝状の銀樹が成長しているのに対し、強磁場の条件下では、長さがほぼ同じで、一方向へ傾いた銀樹が生成していることがわかる。磁場内で作成した高分子の薄膜。直径 20 mm。通常の重力下では、この大きさの膜は割れてしまう。一緒に身体を動かすことを通してつながりを感じる指導者のスキルが高ければ、どのような状況�場面も最高の学びに変えることができる磁場下で成長させた銀樹。銀樹はある角度方向に配向していることがわかる。研究から広がる未来電子はすべての「もの」に含まれていますから、磁場はすべての「もの」と相互作用することになります。ですから、強い磁石を使えば、どんな「もの」でも何らかの相互作用を示すことになります。この相互作用を応用することで、反応を制御する、新材料の開発をすることができます。磁気科学は基礎的な化学だけではなく、高分子、金属、医学など幅広い領域にまたがる研究分野です。卒業後の未来像研究から広がる未来卒業後の未来像私は、長野に来てある人たちと出会い、自然の中で遊ぶようになったことをきっかけに、より広い視野を持ち、本質を見抜く事の重要性を実感するようになりました。ぜひみなさんも、信州大学で人生が変わる出会いと学びを深めてください!変化がはやく、新しい考え方がどんどん古くなる時代ですが、化学は「もの」の構造を考える、「もの」の性質を調べる、「もの」をつくる、など「もの」に関する基本的な分野です。本質的なところをブラックボックスにしないで、いろいろ新しいものに取り組めるような人になってください。小さい子どもや、障害のある子ども、関わりが苦手な子どもの中には、自分の気持ちをうまく言葉にできず、友だちと衝突してしまう子どもがいます。また、それを子どもたち同士で解決することが難しい場面もあります。IOI や将来教員となる学生が、高い分析力や専門的な指導力を持っていれば、つなぎ役となって子どもたちの関係を間接的に築いていく事ができます。このことは、効果的なインクルーシブ教育の実践にもつながります。自然科学の様々な分野の中で、化学は「もの」をあつかう学問になります。その「もの」を制御する方法として磁場と光を使う方法があります。磁場と光は「もの」の中の電子と相互に関係しあうことができます。これを相互作用といいます。この相互作用のために、「もの」は様々な顔を見せてくれるのです。特に磁場と「もの」との相互作用を扱う学問を磁気科学といいます。この相互作用についてはまだよくわからないところが多く、詳細な研究が必要な領域です。そこで強力な磁石である超伝導磁石を用いて、種々の反応系について研究を行っています。自然科学教育部門私は今、スポーツや野外活動実施における身体的共感を通した自他理解の促進と関係性の変化について研究をしています。身体活動場面において、相手から発信される表情や行動、運動パターンなどの非言語的なメッセージを読み取り、その意味や状態をより深く分析できることが、他者との良好な関わり方につながると考えています。「多様性」や「インクルーシブ」が言われる現代において、多様な人と関係が構築できる力は必須となっています。そのため、教育実践では、これらの力を高めるような体育授業や、高い分析力を持ったインクルーシブ野外活動指導員(IOI)の養成を行っています。健康科学教育部門総合人間科学系全学教育センター総合人間科学系全学教育センター磁場と光と「もの」との相互作用を制御する化学多様性の中で良好な関係を構築するための自他分析力を育成する
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