運動機能測定結果説明会地域での運動教室指導前十字靭帯再建術後患者における膝蓋下脂肪体のエコー画像(左上 : 健側、膝関節屈曲位 / 右上 : 健側、膝関節伸展位左下 : 術側、膝関節屈曲位 / 右下 : 術側、膝関節伸展位)超音波画像の撮像風景膝蓋下脂肪体の病理組織学的変化(ラット膝関節矢状断)二重課題歩行速度測定横川 吉晴 准教授1990 年 理 学 療 法 士 免 許 取得後、市立大町総合病院に勤務。2000 年 3 月信州大学大学院医学研究科博士課程修了。2003 年から信州大学医学部保健学科に勤務、現職。北川 孝 助教信州大学医学部保健学科卒業。金沢大学大学院医薬保健学総合研究科医学博士課程修了。2019 年より信州大学医学部保健学科に着任。タアナリシスも試みていこうと、現在フィールド・ネットワークの拡大に努めてお 年を重ねてくると、健康で暮らすことは一層大切なこととなります。治療の必要なひとから地域で自立したひとまで、すべての高齢者にとって、身の回りのことを一人でできることは重要な意味を持ち、日常生活を実行できる能力に関連する要因は研究対象となります。専門は老年学。これまで高齢者の健康増進行動に対する「自己効力感尺度」の開発、活動能力に影響する要因、転倒や運動機能低下を予防するための介入、転倒と関連する二重課題歩行能力の測定方法の開発とその介入を行ってきました。現在、長野県内の長寿地域で自立した高齢者に関連する生活習慣や心理社会的要因をフィールドワークを通じて明らかにしようと活動しています。 整形外科疾患・運動機能障害に対する理学療法の研究を行っています。特に膝関節における外傷・手術後の疼痛や関節可動域制限の因子を同定すべく、基礎実験・臨床研究を行ってきました。今後はそれらの知見・手法を応用させ、基礎実験で培った知識を臨床現場や地域社会に還元できるような、トランスレーショナルな研究を行っていきたいと思っております。 また他施設の現場の方々とも連携し、整形外科疾患に関する臨床研究の実践や、それらに関する研究論文をまとめあげ解析するシステマティックレビュー・メります。― 26 ―研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来卒業後の未来像基礎理学療法学基礎理学療法学 人は誰もが年をとります。高齢者の様々な側面を研究することは、自分の未来をよりよくするための活動につながると思います。健康状態と身体的・心理的・社会的要因との関連を詳らかにしてゆくことは、どのように人は変わってゆくのか、または変わることができるのかという道標を積み重ねることです。日本の高齢者は体力的に若返っているといいますが、その資源をどのように活用したらよいのか、地域とつながりながら考えてゆきたいと思います。 高齢者の特徴を理解して、課題を解決するための分析方法を身につけた医療・保健の専門家(理学療法士など)となってゆくことを期待しています。特に在宅で療養する高齢者、一次予防活動を必要とする高齢者に関わる能力を高めてもらいたいと思います。 これまで経験的・主観的にしか評価ができなかった関節の機能障害(拘縮・癒着など)を定量的・客観的に評価することが可能となれば、それまでの伝統的な治療手技・テクニックを根底から覆す可能性があると思われます。従来の理学療法にとらわれない、新しい評価・治療ストラテジー(戦略)を考案していくことは、クリエイティブかつ非常に高いやりがいのライフワークになると思います。 基本的な評価・治療スキルを身につけると共に、海外の研究論文に基づく最新知見を収集する能力を身につけていただくことで最新の情報・エビデンスをアップデートしていく能力が得られます。共に理学療法のフロンティアを開拓していきましょう。夢ナビにてミニ講義公開中!詳細は冊子巻末をご覧ください理学療法学専攻 高齢期の活動能力を維持するための プログラムを開発する理学療法学専攻 超音波画像を用いた新しい理学療法評価方法の確立へのチャレンジ
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