保健学科研究紹介2025
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乳児の自宅に訪問し、心拍数や呼吸等の呼吸・循環機能を測定している様子子育て講座(妊娠期):パパ・ママに赤ちゃんの沐浴を教えている様子実験室でのオキシトシン濃度測定の様子オキシトシン測定 ELISA キット比色競合法による実験プレート子育て講座(1歳児編):親子で一緒に手型・足型アートを楽しんでいる様子お母さんは赤ちゃんを大切そうに抱っこ徳武 千足 講師大学卒業後、信州大学で助産師資格取得のために学ぶ。卒業後、病院助産師として勤務し、2007 年に信州大学医学部保健学科に着任。信州大学医学系研究科保健学専攻修了(保健学博士)。鮫島 敦子 助教信州大学医学部保健学科看護学専攻卒業後、助産師として の 病 院 勤 務 を 経 て 2015年医学部保健学科看護学専攻着任。信州大学大学院医学系研究科博士後期課程修了(保健学博士)。娩後の女性の月経再来が遅れる要因の解明や、妊娠中の女性の筋肉量の研究な 近年は、少子化や晩婚化・晩産化、そして核家族化や育児の孤立化の問題等、母子やその家族を取り巻く環境が大きく変化しています。私は、母親とその家族が安心して子どもを産み育て、子どもが健やかに育つために、今現在どのようなことが問題となり、どのような支援が必要なのかに関心を持ち、研究しています。現在は、新生児や乳児の育つ環境や呼吸・循環機能の変化に着目して、母親への調査や子どもの生理的な指標を観察する研究を進めています。また、妊娠期から育児期にかけて継続的に行う子育て支援に関する研究チームの一員として、母親・父親になる支援についても研究しています。 オキシトシンは脳下垂体後葉という部分から分泌されるホルモンで、これまでの研究では、陣痛を起こしたり母乳分泌を促進する作用があると言われてきました。近年、対人関係に関与することが明らかとなり、さらに、リラックスをさせたり痛みの緩和作用があることがわかっています。一方、過剰な分泌による攻撃性の増加についてもわかってきました。唾液や血液、尿からオキシトシン濃度を測定し、作用を解明することが、看護・助産ケアに活用できるのではないかと考え、オキシトシンと母子の愛着や精神的安定性について研究しています。この他、分ど、女性を対象とした研究を行っています。― 14 ―研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来卒業後の未来像母性看護学・助産学母性看護学・助産学 現在は、主に妊娠期から育児期にあるご家族やそのお子さんを対象に研究を進めています。助産学や母性看護学の領域で研究を行うことは、女性や子どものライフサイクルのみならず、家族も含めて広く捉えることが必要です。この研究を続ける先には、安心して子どもを産み育てられ、子どもたちに明るい未来が待っているような社会につながること、さらに現代の少子化を打破していくことに役立つと考えています。 卒業後は、助産師や看護師として、病院や市町村、教育機関など様々な臨床現場で働き、活躍しています。医療や看護の発展を支えるためには、現場での研究も必要であると思いますので、是非、大学で研究の基礎や方法を学んでほしいです。 看護・助産ケアを実践する際に、ヒトの体の仕組を知ることはとても大切です。助産師として身体的指標と精神的指標を組み合わせて見ることで、お母さんや赤ちゃんへのよりよいケアと、その家族の選択を支援したいと思っています。 ひとりの女性がその人らしく過ごし、妊娠・出産・育児の場面でも安心して生活していけるような未来を目指します。 看護師、保健師、助産師どの職業にも母子ケアや家族への看護が大切です。卒業後は病院等の医療機関に就職する学生が多くを占めています。研究を通じて、根拠をもつことの大切さを学び、臨床現場に活かすことが出来ます。看護学専攻小児・母性看護学領域看護学専攻小児・母性看護学領域親が安心して子どもを産み育て子どもが健やかに育つことを支えるために身体的・精神的指標を用いて母子とその家族の相互関係を考える

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