SPECIALFEATUREDr.MizueH iromichiKayamaIkedaAyuKato池田 香山先生、工学部が新体制になると伺いました。これまでとはどう違って、どんな狙いがあるのか、ぜひ教えてください。香山 改組を考えたきっかけは大きく2つあるんです。まず、卒業生たちに「社会に出てから『こう学べばよかった』と思うことは?」って率直に聞いてみたんですよ。すると、「一つの専門だけじゃなくて、もう一つ別の軸があれば……」という声がすごく多かったんです。24 実は改組前のシステムでも、たとえば建築学科の学生が他学科のプログラミングの授業を履修することはできるんですけどね、学科の壁が高くて一歩踏み出すのがなかなか難しい。ここをなんとかしたいというのが一つ。 もう一つは社会のニーズの変化です。企業の方々と話すと、「今の社会課題は一つの分野だけじゃ解決できないよ」という声をよく聞くんです。たとえば自動車業界ですよね。昔は機械の2026年4月入学の学生から新たなカリキュラムとなる信州大学工学部。なぜ改組したのか? 新設されるコースで学生はどのような学びを得られるのか?香山瑞恵工学部学部長と、大学院で研究を続ける池田尋道さんと加藤あゆさんが、生まれ変わる信州大学工学部の未来について語る、特別座談会。C R O S S T A L K建築学分野加藤あゆさん情報数理・融合システム分野池田尋道さん香山学部長知識が必須だったものが、今は電気自動車や自動運転の時代で電気電子や情報系の専門知識も必須になってきました。車の居住性を考えると建築の知識も関わってくるし。 そこで思い切って、5学科を1学科10コースに再編したんです。入学時から希望コースを保証した上で、もし「違うな」と思えば変更もできる仕組みにしています。池田 それは面白そうですね。私自身、最初未来を見据えた学びの場はどうしてできた?〜学部長と学生が語り合う、2026年からの新体制〜
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