工学部研究紹介2026
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88人人間間とと人人工工物物のの意意思思疎疎通通デデザザイインンととデデーータタ駆駆動動型型農農業業研究から広がる未来卒業後の未来像私の学問へのきっかけ教授 小林 一樹研究トピックス研究キーワードディスプレイの裏からスマートフォンが姿を表し情報通知するソーシャルグルーミングエージェント。VR空間における身体が消失するエージェントの効果を調査する研究高精細カメラと全天球カメラを備えた農園モニタリングシステム。屋外で連続稼働して画像を収集し続ける。ヘッドマウントディスプレイに手指検出デバイスを取り付けてVR空間に動きを反映する。深層学習を用いて、果実サイズと果実形状を自動で検出した様子形状や感触を自由に変更可能な柔軟デバイス。入力センサの位置を自由に変更できる機構を持ち、PCやスマートフォンなどの接 続して外部コントローラとして動作します。人とコミュニケーションするための犬型ロボットと、農園で鳥の追い払いを行うドローン。人間と意思疎通しやすい振る舞いを検討したり、鳥害を⾧期的に防ぐ方法について研究を行っています。国 立 総 合 研 究 大 学 院 大 学修 了 、 博 士 ( 情 報 学 ) 。2021 年 より 現 職 。 研究 分野 は イ ン タ ラ ク シ ョ ン デザ イ ン 、 ヒ ュ ー マ ン エ ージ ェ ン ト イ ン タ ラ ク シ ョン 、 人 工 知 能 、 ア グ リテックなど。人間の気持を理解し、その人に合わせて支援してくれる機械が普及すれば、効率や結果ばかりを重んじる現代社会が少しは良い方向に進むかもしれません。私の研究室ではそんな未来を少しずつ拓く研究を行っています。様々な製品やシステムを設計する上で、それを利用する人間の認知特性や心理を理解することは欠かせない要素の1つです。コンピュータと人間に関する深い知識を元に、新しい発想で問題解決する技術者や研究者が未来像です。画像から検出した果実サイズから成⾧予測している様子身の回りの家電や製品は多くの人にとって使いやすいように設計されています。しかし、自分にとっても使いやすいという保証はありません。そういった人間の主観の世界に対して、コンピュータが自分で考えながら問題を解決 す る技 術 に出会 い 、と ても 感 動し まし た 。 それ をきっかけに、新しい技術の確立に貢献できる仕事に就きたいと考えるようになりました。画像を配置画像を配置小林研究室では、人間と人工物の間で円滑な意思疎通を実現するための「インタラクションデザイン」と、情報技術を農業に活用するための「データ駆動型農業」に関する2つの研究に取り組んでいます。インタラクションデザインでは、人間とロボットやソフトウェアとの間でやりとりされる情報とその処理過程をデザインして問題解決を図ります。データ駆動型農業では、農業に最新の情報技術を応用し、植物の状態を自動で判定したり、人間の意思決定を支援するシステムを開発しています。研究シーズ• 人間の社会的な反応に基づくユーザインタフェース設計• ロボットやエージェントなどの自律的システムと人間との協調作業• フィールドモニタリングやスマート化• モニタリングのためのIoTシステムの構築• 人間が感じる雰囲気を工学的に扱うための方法論• 認知科学的な視点からの人工物設計• IoTデバイスやインタラクティブシステムのラピッドプロトタイピング共同研究・外部資金獲得実績• 忌避効果の持続可能なエッジコンピューティングAI鳥害防止システムの応用研究(生研支援センター)• 植物の構造と数値を結ぶベクタデータクラウドの構築(科研若手B)• 認知的インタラクションデザイン学:意思疎通のモデル論的理解と人工物設計への応用(科研新学術領域)• 情報工学との連携による農林水産分野の情報インフラの構築(農林水産省)• 情報通信技術による遠隔システムの構築とセンシング技術の開発(民間企業との共同研究)• 音声対話エージェントにおける人工的モダリティを用いた外部表出(民間企業との共同研究)• 抽象概念を用いたロボットの自然言語対話技術の開発(民間企業との共同研究)• ワイヤレス高精細画像通信による鳥獣害防止AIシステムの開発(総務省)インタラクションデザイン ・ ヒューマンエージェントインタラクション ・ スマート農業 ・データ駆動型農業 ・ IoT ・ 雰囲気工学 ・ 認知科学 ・ 社会心理学 ・ おばけ工学

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