工学部研究紹介2026
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83助教 南 健斗1994 年 生ま れ 、石 川県 出身 。 東 京 理 科 大 学 建 築 学科 卒 業 。 東 京 工 業 大 学 環境 ・ 社 会 理 工 学 院 建 築 学系 大 学 院 修 了 後 、 同 大 学博 士 課 程 修 了 。 専 門 は 、建 築 環 境 工 学 、 風 工 学 。博士(工学)2024年から現職。顔写真を配置共同研究・外部資金獲得実績人々の生活様式の変化に伴い、伝統的な景観や環境的な仕組みは変化を余儀なくされています。地域に根差した技術について再評価し、その効果の工学的な評価や一般化を行うことで、伝統的な仕組みから学び、知見や技術を将来へ繋いでいきたいと考えています。環境シミュレーションは、建築業界のみならず、幅広い業界において将来的な活用が見込まれます。環境シミュレーションと物理現象との対応関係を理解し、人々にとってより良い環境を生み出せる学生を育成したいと思います。大崎耕土では、集落にも居久根が多く存在し、卓越風側に連続するように植樹された居久根が形成する集落による防風メカニズムを明らかにする集落内の居久根同士の間隔と防風効果との関係性を明らかにする(図中の数字:居久根同士の間隔 [m])宮城県北部に位置する大崎耕土の農村住居。冬期の卓越風側に伝統的な屋敷林「居久根」を植樹し、住宅や中庭を強風から守る仕組みとなっている歩行者高さにおける平均風速の解析結果。居久根の影響により、平均風速が1/3程度に低減されていた私は幼い頃から心地よいと思える場所・自然環境を探すこと が 好き で した。 大 学院 生の 時 に、 環境 シ ミ ュレ ーションを用いることで、風・光・熱といった環境的な要素を予測する技術を知りました。風は、流れを直接目で見ることが出来ないものの、モノの揺れ方(視覚)、風切り音(聴覚)、匂いの拡散(嗅覚)、肌で感じられる(触覚)など、人間の様々な感覚に作用する点が面白いと感じています。画像を配置卓越風QRを配置我々の生活において空気は必要不可欠なものです。そよ風が心地よいと感じることも、強風によって物が飛ばされることも空気が流れる「風」による現象です。南研究室では、風の流れをシミュレーションによって予想するCFD (Computational Fluid Dynamics)の技術を軸としながら、建物が密集する建築都市空間から広大な農村における風環境まで幅広く取り扱います。最先端のシミュレーション技術を用いて、建物や都市空間の環境改善、伝統的な文化の保全などの提案を行います。研 究 シ ー ズ 風環境シミュレーションおよび風環境の実測 地形・樹木・建物などを含む複雑な条件下の風環境の予測 自然環境を活かした建物の計画提案 ドローンを用いた広域な3次元モデルの作成 伝統的に作られてきた住宅および集落の環境分析 屋外環境を活かしたスローフードにおける生産工程の分析【研究代表】 日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援「屋敷林「居久根」の公共財としての認識に向けた集落における防風的価値の明示」(2024年度~2025年度) 東京工業大学 殻を破るぞ!卓越型理工系博士人材育成次世代研究者挑戦的研究プラス「樹木に関する風環境解析手法の検討および屋敷林が大崎耕土に与える環境的効果の定量化」 (2021年度)【研究分担】 科学研究費助成事業“基盤研究(C)”「屋敷林の地域への寄与の解明と広域での管理手法の構築:公共財としての維持に向けて」(2024年度~2026年度)卓越風伝伝統統的的なな住住環環境境のの仕仕組組みみをを風風工工学学かからら読読みみ解解くく私の学問へのきっかけ研究から広がる未来卒業後の未来像最近の研究トピックス研究キーワード環境建築工学・風工学・環境シミュレーション・屋敷林・まちづくり卓越風卓越風居久根

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