工学部研究紹介2026
83/132

82東 京 ⼤ 学 国 際 都 市 再 ⽣ 研究 セ ン タ ー 特 任 研 究 員 、東 洋 ⼤ 学 ⽊ と 建 築 で 創 造す る 共 ⽣ 社 会 研 究 セ ンタ ー 研 究 助 ⼿ を経 て 2011年 よ り 現 職 。 ⽊ 構 造 、 主に 伝 統 ⽊ 造 建 築 物 の 耐 震性 能 に 関 す る 研 究 に 従 事 。⺠家、社寺など⽇本の⽂化を受け継ぐ⽊造建築は今もなお⽣き続けています。美しい伝統建築を保存・活⽤し、そして今後も建てていくにはどうしたらよいかというテーマは、今の時代だからこそ夢があり、未来につながるものです。⽊造建築、構造の基本的な考え⽅を理解しながら研究を進めていくことで、⽊造建築を中⼼とした構造設計、伝統⽊造建築の耐震診断・耐震補強設計といった分野での活躍が期待されます。伝統⽊造建築の構造要素である柱や梁、⼟壁などの構成や⼨法などを建物調査によって把握します。得られたデータをもとに耐震性能を評価し、耐震補強⽅法について提案します。⼟蔵造りの⼟壁の耐震性能を評価するための加⼒実験。実際の建物を参考に⼟壁試験体を作成し、地震の時に⼟壁に作⽤する⼒を与え、強度と破壊状況を把握します。実際の建物を対象とした振動実験⼩さな頃から⽊⼯が好きだったこともあり、⼤学で⽊造建築の伝統的な⽊組みについて学んで以来、昔の技術に関⼼を持つようになりました。その後、⽊造建築を専⾨とする研究室を希望し、伝統的な技術でつくられた構造物の実験や調査に携わる中で、研究がだんだんと⾯⽩くなっていきました。構造解析モデルによる耐震性能の検証⽇本には多くの⽊造建築があり、⺠家や社寺のような昔ながらの建物から、現在建てられている⼀般的な⽊造住宅、学校などの規模の⼤きな建物まで実に様々です。この中でも特に、⽇本の⽂化を受け継ぐ⽅法で建てられた伝統⽊造建築の耐震性能に関する研究に取り組んでいます。地震によって⼤きな被害を受けてしまうことも多い伝統⽊造建築ですが、⼯学的な視点で伝統的な技術を評価し、現代技術も交えた耐震補強を検討することで建物を安全に活⽤するための⽅法を考えていきます。・伝統⽊造建築の地震防災⺠家・社寺の現地調査、実験、解析・⽊造住宅の耐震性能向上耐震補強⽅法の開発、地震被害調査・建物の歴史的変遷と構造性能構造的な視点と⼿法による歴史へのアプローチ・伝統的⽊造住宅における垂壁付き独⽴柱の静的挙動に関する研究(トステム建材産業振興財団 研究助成)・重要⽂化財旧松本⾼等学校校舎及び講堂耐震基礎診断試験(受託研究)・⻑野市⼾隠地区の伝統的建造物の耐震性に関する調査(受託研究)・古材の強度調査(受託研究)・伝統⽊造建築物の常時微動測定(受託研究)・合板を積層した構造材の実⽤化研究(⺠間企業との共同研究)・⼤壁造り⼟壁の耐⼒・剛性評価(科研費 基盤研究(C))⽊造建築 ・ 伝統構法 ・ 在来構法 ・ 耐震性能 ・ 耐震補強伝伝統統⽊⽊造造建建築築がが地地震震にに耐耐ええるる仕仕組組みみをを⼯⼯学学的的なな視視点点でで考考ええるる研究から広がる未来卒業後の未来像私の学問へのきっかけ研究キーワード研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績助教 松⽥ 昌洋最近の研究トピックス

元のページ  ../index.html#83

このブックを見る