工学部研究紹介2026
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⼈間は⾃らが過ごす環境を構築するチカラを持っていて、より良く感じられる環境づくりを継続してきています。しかしながら、その⽬的に根ざして構築された環境が思い通りに機能しない事例、新たな問題を⽣み出す事例は少なくありません。これらについて考えるためには、物理的な環境を調べるだけでなく、⼼理的(⼈間の頭の中につくられる)環境の特性を把握して、それらの対応関係を慎重に推察する⼿続きが⽋かせません。柳瀬研究室では、建築空間や都市空間を対象に『⼈間−環境系に関わる研究』を⾏っています。画像を配置画像を配置QRを配置79よよりり良良いい環環境境ををデデザザイインンすするるそそののたためめにに「「⼼⼼理理的的環環境境」」をを探探究究すするる研究研究キーワード環境⼼理学 ・ 空間認知 ・ ⽇常⽣活 ・ ⾏動観察 ・ 実空間実験既存の建物をペイントなどによって疑似的に 劣化させて、その質や量に応じた評価データ を収集。[地域と連携した活 動]スロープの勾配と距離によって⽣じる⾞椅⼦(⾃⾛および介助あり) による移動負荷を計測。[施設の利便性の⾒直し]私の学問へのきっかけ准教授 柳瀬 亮太顔写真を配置研研 究究 シシシ ーー ズn 歩⾏空間のデザインn ⾼齢者の外出⾏動を促進する環境づくりn 公共トイレ空間の環境改善n ⽇本の建具デザインに関する実験的研究n ⼈間の⾏動特性と環境デザインの関係n 住み⼿に魅⼒的存在であり続ける建物共同研究・外部資⾦獲得実績n ⽇常的な移動⾏動と安全への意識に関する調査(⺠間企業の助成⾦)n 寒冷⼭間地における広域⽣活圏に積雪が及ぼす影響(財団法⼈の助成⾦)n 駅舎トイレの清潔性維持に関する学術研究(⺠間企業との共同研究)n 住み⼿に魅⼒的存在であり続ける建物の物理的要素と⼼理的要素の探究(科研費(基盤研究C))n ⼈⼯物の総合的な強化を促す⼼理的要因と社会⽂化的要因に関する⼀考察(科研費(基盤研究C))n 公共空間における表⽰物の「⾒落とし」に関わるデザインの研究(輝度と⾊彩)(科研費(基盤研究C))研究から広がる未来卒業後の未来像思い返すと、⼩学から中学時代に 読んだ本の影響を強く受けたように思います。伝奇や古典、推理もの、 SF、ショートショートなど、 その中に出てくる機知に 富む登場⼈物だったり、 魅⼒的な描写やワクワクする展開… 単純に読書を楽しむことが多かったですが、それらの理由を考えることも同様でした。 ⽇々の⾏動も、何らかの理由があって多様な 判断が下されるものです。それについて考えたいという願望が 根底にあったのかもしれません。早稲⽥⼤学⼤学院⼈間科学研究科博⼠課程修了、博⼠(⼈間科学)取得。専⾨分野は、環境⼼理学、認知⼼理学。⽇常的に体験する空間を 対象として⼈間と 環境の相互作⽤について研究。総 合 建 設 業・ 設 計 事 務 所 ・ ハ ウ スメーカー・ ⾏政機関・ 地⽅⾃治体など、⾃らの希望に応じて、 建築に関係する幅広い分野へ就職しています。いずれの分野においても、学際的な視点から建築・ 都市空間について考えを深める研究経験は役⽴ちます。上述した研究に 取組むにあたっては、⼈間が知覚・認知している環境について理解を 深める必要があります。知覚・認知システムは 、いい加減かつ精巧です。 その性質について実験⼼理学的⼿法を⽤いて探求し 、より良い構築空間をデザインの糧となる資料が 求められています。管理者や利⽤者のニーズに加えて、地域⽂化をふまえて机や椅⼦をデザイン。2010年度から⼤学院の演習課題として取組み始め、毎年1作品を公共空間に設置。最終案の選考と制作に際しては、地元企業や団体の協⼒をえている。 [須坂市と連携した取組み 上段:旧⼩⽥切家住宅・下段:ふれあい館まゆぐら]最近最近ののの研究研究トピックス

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