Kawaguchi et al., 11th PSFVIP, 2017Kawaguchi et al., Micromachines, 2019Kawaguchi et al., 31st ISTP, 202070研究キーワード混相流,複雑流体,レオロジー,⽣体内流れ,界⾯不安定現象私の学問へのきっかけ助教 川⼝ 美沙蛍光粒⼦を⽤いたマイクロチャネル内懸濁液流れの顕微鏡下観 察(上図)と仮想流束法-正規化格⼦ボルツマン法を⽤いた懸濁液流れの数値計算による流速分布(下図)固液混相流が関連する⽣体内流れの例.⼤動脈を模擬した⽣体内流れ解析による壁⾯せん断応⼒の可視化(左図)と肺気道流れを模擬した分岐管内流れの流速の可視化(右図)Hele-Shaw cell内のSaffman–Taylor instabilityの観察例.2枚のガラス板間の微小な隙間に高粘性流体を満たしたところへ,低粘性流体を流し込むと,粘度差により指状の界面形状になる.2022年に京都⼯芸繊維⼤学⼤学院⼯芸科学研究科を修了( 博⼠( ⼯学) ).JSPS特別研究員, 東京農⼯⼤学 特任助教を経て,2025年より現職. 流体⼒学,特に混相流に関する研究に従事.懸濁液のレオロジーは,⾎液流れや海洋からの⾼効率なマイクロプラスチック回収の実現など,⽣体内流れから環境問題まで幅広い分野に関連するトピックです.現在は,⾮接触の固液混相流の粘度計測の実現に向けて研究を進めています.本研究室では, 四⼒学のうちの1つである流体⼒学を学び,専⾨知識を⾝につけます.研究活動を通じて,論理的思考,プログラミング技術のみならず,幅広いトランスファラブルスキルを向上させ,⾃⽴的に問題解決できる⼒を⾝に付けた⼈材育成を⽬指します.最近の研究トピックスn 水-油系に代表される液- 液二相流で観察される, 粘度差に起因する界面不安定現象( Saffman–Taylor instability)に関する研究にも取り組んでいます.この研究は,石油回収率の向上やフラクタル構造を有するバイオマテリアル生成への応用が期待されています.私は偏光を使った新しい計測手法を用い,三次元流体応力場とパターン形成との関係を調べています.また,流体現象は非常に美しいところも魅力であり,流体が作り出すパターン形成と芸術分野との関わりにも興味があります.⾼校⽣のときに医⼯学という分野に出会い,物理と数学が好きで医療に関わりたかった私にぴったりの学問だと思い,⼤学で機械⼯学を学びました.固定観念にとらわれずに⾏動し,⾯⽩そうなことに⾶びついていたら,素敵な研究者の⽅々に出会い,周りの⽅に恵まれて,今に⾄ります.⾎流は固体成分の影響で⾮ニュートン性を⽰し,条件によっては固体成分が⾮⼀様に分散することがある⼀⽅,単相流と仮定されている場合もあり,固体成分の影響はどう整理できるのか?と疑問をもったところから懸濁液レオロジーの研究に⾜を踏み⼊れました.研研 究究 シシシ ーー ズn 格子ボルツマン法を用いた懸濁液流れの数値計算共同研究・外部資⾦獲得実績l 慣性マイクロ流体とレオロジーを繋ぐ懸濁液流れの粒子応力テンソルモデリング(科研費 若手研究)l 実効粘度の非接触測定に向けた慣性移動を伴う懸濁液流れの数値的・実験的研究 (東北大学流体科学研究所 リーダーシップ共同研究)l 高速度偏光カメラを用いた液- 液二相流の界面挙動と応力場可視化(公益財団法人 イハラサイエンス中野記念財団)l 分散系懸濁液のレオロジーコントロールに向けた微視的レオロジー評価方法の確立(科研費 特別研究員奨励費)l 懸濁液の巨視的レオロジーと粒子分散状態の定量評価(公益財団法人ホソカワ粉体工学振興財団 研究者育成のための援助)粒粒⼦⼦やや界界⾯⾯がが織織りりななすすミミククロロなな構構造造とと流流体体ととのの相相互互作作⽤⽤をを紐紐解解くく研究から広がる未来卒業後の未来像⼈が⾛ることができるプールのように,直感に反する⾯⽩い挙動を⽰すのが⾮ニュートン流体です.⾮ニュートン流体が⽰す独特の挙動は,流体中に含まれる固体成分の振る舞いが⼤きく影響しています.当研究室では,同学科の吉野教授・鈴⽊准教授と協働し,流れの中で,固体粒⼦が形成する構造や粒⼦運動が懸濁液の流動にどのように影響するかを調べ,混相流中の「応⼒」とそれに関わる「粘度」を紐解き,混相流の不思議に迫ります.顔写真を配置QRを配置
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