工学部研究紹介2026
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59ミミククロロなな世世界界のの熱熱やや流流体体のの流流れれがが『『ココンンピピュューータタシシミミュュレレーーシショョンン』』にによよっってて見見ええててくくるる!!シミュレーションで用いる計算機プログラムを学生が自作で構築しています。将来的には、得られた研究成果を集大成し、混相流のような複雑な熱流動現象を解明するためのソフトウエアの開発・ 製作を目標としています。自動車関連産業への就職が多く、家電メーカや重工、 工作機械や精密機器を扱う企業などにも卒業生を輩出。自分の専門分野にとどまらず、新しい 領 域 の 課 題 解 決 に 意 欲 的 な 研 究者・技術者として様々な分野で活躍しています。京都大学大学院 工学研究科 博士後期課程修了。2000年 信州大学に着任。助 手 、 講 師、 助 教 授 、 准教 授 を 経 て 2012年 よ り 現職 。 数 値 流 体 力 学、 特 に混 相 流 、 移 動 現 象 に 関 する教育・研究に従事。高校生になって、それまで好きだった数学に加えて化学に興味を持ち、大学では化学工学科に入学しました。その中で今の研究分野に出会い、現在は機械システム工学科に所属しています。進学する大学の学科を選ぶ際、何となく面白そうだからという理由でもいいと思います。実際に入学すると、学科の名前からは想像できない楽しい分野が数多くあることに気づくでしょう。また、学生時代の私の先生は、学問の厳しさはもちろん面白さも教えてくれました。いろいろなことに面白いと興味を持つことが重要だと感じています。画像を配置画像を配置QRを配置QRを配置吉野研究室では、流体や熱・物質の流れをコンピュータシミュレーションによって解明する研究に取り組んでいます。近年、効率の良い計算手法の開発とコンピュータの著しい発達のおかげで、これまで調べることが難しかったミクロな世界の流れを精度よく解析することができるようになってきました。特に、『格子ボルツマン法』というパワフルな計算手法を用いて、微小液滴が衝突する際の挙動や小さな空隙をもつ物体内の熱流動現象など、主に『マイクロフルイディクス』(微小スケールの流体力学)の研究を行っています。 複雑な混相流問題に適用可能な格子ボルツマン法(LBM)の開発 マイクロポーラス内における移動現象解析 濡れ性を考慮した固体壁面上における液滴の衝突解析 熱移動や化学反応を考慮したを液滴の衝突・混合現象の解明 マイクロリアクタ内における混合・拡散現象の解析 熱移動を考慮した埋め込み境界-格子ボルツマン法(IB-LBM) 分離・分級を目的とした分岐管内における固液二相流解析 脳血管分岐部付近に発生する動脈瘤まわりの血流解析 コンクリート溶脱解析の高度化(民間企業との共同研究) 鉱物繊維生成に関する研究(民間企業との共同研究) 積層造形の流れ解析に関する研究(民間企業との共同研究) 自由表面格子ボルツマン法による固液相変化解析技術(民間 水素ステーションの低コスト化を実現するプレート式熱交換器の低圧拡散接合技術の開発(経済産業省 戦略的基盤技術高度化支援事業) 格子ボルツマン法を用いたマイクロ流路内における粘弾性固 固液相変化を考慮したミクロなアプローチによる氷スラリー 乱流混合と内部自由度のあるマイクロ粒子巨大集団との相互作用(学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点 公募型共同研究 (JHPCN))私の学問へのきっかけ教授 吉野 正人顔写真を配置研研 究究 シシ ーー ズによるアイススラリーの熱流動解析共同研究・外部資金獲得実績企業との共同研究)体の挙動解析(科研費 若手研究(B))熱流動現象の解明(科研費 基盤研究(C))研究から広がる未来卒業後の未来像SBC信越放送「YES!ものづくり すごいぞ!信大工学部」 で放映された研究室紹介:計算結果を見ながら研究室で議論している様子(左下図) 、卒 業 研 究 に 取 り 組 ん で い る 風 景( 右 下 図 )Sai+ ス ペ シ ャ ル No. 3 6 5 よ り 引 用http://saiplus.jp/special/2016/03/365.php液液二相のスラグ流解析( 左上図) 、狭窄部を通過する赤血球の変形の様子(左下図) 、血管分岐部まわりの血流解析(右図)最近の研究トピックス図図11 二二体体同同径径液液滴滴のの追追突突・・対対向向オオフフセセッットト衝衝突突ににおおけけるる挙挙動動変変化化【説明】左から右に時間が経過。追突では両液滴が右に移動(水色の液滴の方が速い)、対向では水色と赤色の液滴がそれぞれ右と左に向かって移動しています。両液滴には、多数のトレーサー粒子を埋め込み、それらの運動を計算することにより衝突・混合の過程を可視化しています。図図22 二二体体同同径径液液滴滴ののオオフフセセッットト衝衝突突ににおおけけるる回回転転分分離離のの計計算算結結果果【説明】液滴の直径、流体の物性(密度、粘性係数、界面張力)、衝突速度ならびに衝突におけるオフセット距離の限られた条件下では、液滴が衝突後180度以上回転してから分離する現象が実験的に報告されていますが、本数値シミュレーションでも回転分離現象が再現されました。研究キーワード数値流体力学 ・ 移動現象論 ・ 格子ボルツマン法 ・ 複雑混相流 ・マイクロフルイディクス ・ 生体内の流れ

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