工学部研究紹介2026
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54シシスステテムムのの動動ききをを予予測測しし、、意意ののままままにに操操るる。。『『制制御御工工学学』』のの極極意意をを探探求求研究から広がる未来卒業後の未来像( 株 ) 東 芝 研 究 開 発 セ ンタ ー を 経 て 、 2002 年 4 月より信州大学工学部。制 御 工 学、 シ ス テ ム モ デリ ン グ、 信 号 処 理、 ロボ ッ ト 工 学 と、 そ の 産 業、農 業 、 福 祉 医 療 、 な ど への応用に関心がある。『制御工学』は、『動き』のある対象に適用できる横断的な科学技術です。例えば、 メカの動きも人体も、物理的な運動の意味では同様に捉えることができます。制御工学は、複雑化した社会における基盤技術として、重要性が高まっています。研 究 室 で は、 愛 情 の 有 る 厳 し さ をモ ッ ト ー に 研 究 指 導 し て い ま す。『大学は、社会人として自立する通過点に過ぎない。 社会に出てから困らない程度の自力をつけて卒業できれ ば、 将 来 の 大 き な 飛 躍 に 繋 がる。』というのが、 先生の口癖です。開発したほうれん草自動収穫装置による圃場試験の様子(2015)自分でも理由は良く解りませんが、何故か惹きつけられるものが有ったように思います。 制御を使ってロボットを思いのまま動かすなんてカッコ良いと言った程度の、単純なものかもしれません。 でも、その興味がいつまでも続いて、気づいたらこうなっていたという印象です。でも、一度は諦めて、 大学院を修了後、一般企業に長く勤めました。 そのままエンジニアでいることもできたので、まさか大学に戻ることになるとは思っていませんでした。でも、こうなったのは、自分の意志だけではなく、色々な巡り合わせもあるのだと感じています。履帯車両の自律走行制御用実験装置(研究室学生の自作です)空気式除振台の性能を向上させるアクティブ制御技術の開発。研究成果は、(財)油空圧機器技術振興財団などから優秀論文として顕彰された布のハンドリングと自動縫製技術の開発を目的とした実験装置(2022)QRを配置画像を配置画像を配置千田研究室では、 メカや自動車等の移動体、ロボットや人体など、運動する物体の『動き』の解析とモデリング、運動状態の推定と予測、およびその自動制御に関する研究を行っています。そこでは、数学を基礎とした『制御工学』を活用し、新たな付加価値をもたらす技術の創造を目指しています。それらの研究成果は、車両の自律走行制御、空圧式除振台の高精度な振動抑制、布の自動縫製装置や農業用ロボットの開発など、様々な対象に応用することができます。顔写真を配置研研 究究 シシ ーー ズ システム同定理論を活用した動的システムのモデリング モデルを活用したセンサレス状態推定 カルマンフィルタ,粒子フィルタを活用した状態推定 適応制御、モデル予測制御、非線形制御等による動的システムの高精度制御(振動制御、位置決め制御、最適制御、etc) 深層学習,機械学習による推定・異常判別技術 計測制御工学の農業用ロボットへの応用 パルス駆動型アクチュエータによる制御共同研究・外部資金獲得実績 人の転倒検知アルゴリズムの構築(民間企業との共同研究) 野球ボールの回転速度推定(民間企業との共同研究) ホウレンソウ自動収穫装置の開発(農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業) レタス自動収穫装置の開発(農林水産省・地域戦略プロジェクト) 土と剛体の相互作用を考慮した制御技術の構築と農業分野への応用展開(科研費(基盤研究A)) 履帯駆動系のオンオフ制御による自動操舵技術の構築(科研費(挑戦的研究・萌芽)) 離散値制御の課題解決による実用的な機械制御方法の確立(科研費(基盤研究B)) パッシブな運動特性に着目した拘束を伴う平面型柔軟物の姿勢制御方法の確立(科研費(基盤研究B))最近の研究トピックス(1) ポロシャツ生地布の曲線自動縫製のためのハンドリングと制御ポロシャツ生地のような柔軟な布の自動縫製のためには、布の位置と姿勢(角度)を適切に制御することが必要です。しかし、布は伸び縮みし、容易にたわんだり、しわが寄ったりするため、そのハンドリングは非常に難しい面があります。この困難さを克服し、対象物の動きを意のままに操ることで、直線だけでなく曲線の自動縫製が可能になります。(2) 農業用装置の自動走行技術の開発農業用の車両では、左右の履帯それぞれの駆動と間欠的な停止によって直進および旋回を行う走行方式が多く用いられています。そのような走行車両における自動走行技術の開発を行い、障害物回避を行いつつ期待される経路に追従する制御技術の開発を行っています。(3) 製造装置の異常検知技術の開発製造装置の異常を予知することは、安定的な生産性を確保するために重要です。装置の物理的な特性の理解に基づき、観測信号を適切に処理した上で機械学習や深層学習をツールとして活用することで、故障の予兆を見逃さず、装置異常の早期予測の実現を目指しています。研究キーワード動的システムのモデリング ・ 自動制御 ・ 振動制御 ・ 深層学習 ・ 機械学習 ・ 状態推定/予測 ・ フィルタリング ・ パルス駆動制御 ・ 異常予測/検知私の学問へのきっかけ教授 千田 有一

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