工学部研究紹介2026
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53核核融融合合発発電電のの実実現現へへププララズズママ中中のの原原⼦⼦・・分分⼦⼦反反応応のの解解明明重⽔素とリ チウムが ほぼ無 尽蔵にあることや炉 の安全性 が核融 合発電の特徴です。核 融合発電が 実現すれば 、エネルギー 資源の問 題がな くなります 。多くの⼈の 就職先は 、⾃動 ⾞メーカなど、機械 システム ⼯学分 野の⼀般的な就職先 と同じで す。核 融合科学研究所等で 、⼤学院 ⽣とし てプラズマ研究を続ける⼈もいます。科研費 基盤研究(C)など核 融 合 発 電 実 証 を ⽬ 指 し た 国 際 熱 核 融 合 炉ITERが フ ラ ンス で 建 設 され て い ます ( ⽇ 本・EU・ロ シア ・⽶ 国 ・韓 国・ 中国 ・イ ンド が参加)。設計には、当研究室で開発された計算機コードも利⽤されています。核融合プラズマを想定して開発したシミュレーシ ョ ン コ ー ド を、 研 究 室 の RF プ ラ ズマ ( 右 写真)で観測される原⼦・分⼦発光線の解析に適⽤し、計算機コードの信頼性を検証しています。上に記したように分⼦の内部状態を精密に考慮したコードの開発を進めています。京都⼤学⼤学院⼯学研究科博⼠課程にて博⼠(⼯学)を取得後、1994年から信州⼤学⼯学部に勤務。現在の研究テーマは修⼠学⽣のときから。専⾨はプラズマ分光学。主に核融合プラズマを対象として、水素原子・水素分子の反応、空間的な流れ、粒子バランス・エネルギーバランスを理解することを目的として、下記のような詳細な計算機コードの開発を進めています。((aa))水水素素原原子子衝衝突突輻輻射射モモデデルル・衝突輻射モデルは、電子衝突・自然放出などによる励起原子の生成・消滅のバランスを記述する連立微分方程式。・様々な状態の励起原子の密度(ポピュレーション)が計算され、同時に、自然放出による発光強度や励起状態を経由する過程を含む電離・再結合等の実効的反応速度係数が計算できる。((bb)) 水水素素分分子子衝衝突突輻輻射射モモデデルル・主量子数(融合原子)が4以下の電子状態を区別し、さらにそれらの振動状態・回転が区別されている。・精密に準位を扱ったことにより、電子温度・密度を与えると分子発光スペクトルを計算することができる。((cc)) 水水素素原原子子・・分分子子中中性性粒粒子子輸輸送送ココーードド・反応までの飛行距離、反応の種類、反応後の飛行方向等に乱数を用いて粒子を追跡し、各種粒子の密度・流れを計算する。・核融合プラズマにおいて重要とされる分子活性再結合など、反応が網羅されている。・原子・分子の励起状態を経由する過程を含む各種反応の速度係数(衝突輻射モデルで計算)が組み込まれている。・・分子活性再結合など初期振動・回転状態により反応速度係数が大きく変わるものがあるため、中性粒子輸送コード中では、異なる振動・回転状態の水素分子を独立な粒子として追跡している。・・各種の分子反応により生成される原子の速度分布が精密に考慮されている。・・水素原子ライマン発光線の輻射輸送が精密に扱われている。プラズマ中の光の放射・吸収を考慮し、光強度の空間分布と励起原子ポピュレーションの空間分布を収束計算により同時に計算する。これらのモデルの検証のため、研究室のRFプラズマの分光計測をおこなっています。⼤学の学部時代は野球ばかりしていたのですが、⾼校⽣になる前あたりにブルーバックスのしおりで⾒た「私たちは浜辺で、より美しい⾙殻や、より滑らかな⼩⽯をあちこちさがし求めている⼦児のようなものである。未知の真理の⼤海は眼前にはてしなくひろがっている」のような研究を潜在的にはずっとしたかったのだと思います。いま研究職についているのは修⼠・博⼠課程でご指導いただいた先⽣の⼒量のおかげです。・電子温度・密度および分子振動・回転温度計測のための水素分子衝突輻射モデルの構築 科研費 基盤研究(C)・水素原子・水素分子の内部状態を精密に考慮した核融合周辺プラズマ解析コードの開発 科研費 基盤研究(C)・水素分子の電子・振動・回転状態を区別した中性粒子輸送コードの構築とその検証核融合発電は、⾼温・⾼密度のプラズマ中の重⽔素と三重⽔素の核融合反応により発電を⾏うものです。重⽔素は海⽔中に無尽蔵にあり、三重⽔素は発電中にリチウムから作られます。⻑年の研究により核融合発電が可能となる1億度以上のプラズマが⽣成されており、現在は、プラズマとの接触による容器の損耗の解決が最重要課題となっています。私たちの研究室では、容器を守る役割を果たす容器付近の原⼦・分⼦とプラズマとの反応について研究を⾏っています。核融合 ・ プラズマ ・ 原⼦ ・ 分⼦ ・ ⽔素 ・ ヘリウム ・ 分光計測 ・ RFプラズマ衝突輻射モデル ・ 中性粒⼦輸送コード研究キーワード私の学問へのきっかけ教授 澤⽥ 圭司研 究 シ ー ズ最近の研究トピックス共同研究・外部資⾦獲得実績研究から広がる未来卒業後の未来像https://www.iter.org/iter-image-galleriesThe ITEROrganizationprovides images andvideos on its publicwebsite free ofcharge foreducational andinstitutional use.

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